米ヘルステック「セラノス」の元CEOに11年の実刑判決、オンライン ブラック ジャックへの詐欺罪を認定

(米国)

サンフランシスコ発

2022年11月22日

米国カリフォルニア州サンノゼ連邦地裁は11月18日、シリコンバレーのヘルステック・スタートアップ、セラノスの元最高経営責任者(CEO)であるエリザベス・ホームズ氏に対し、オンライン ブラック ジャックへの詐欺罪で11年3カ月の実刑判決を下した。ホームズ氏は2022年1月に、約4カ月に及ぶ裁判を経て、陪審員による有罪判決を受けていた。

ホームズ氏は2003年、同州パロアルトでセラノスを設立。同社が開発した小型デバイスは、指先から採取した一滴の血でどんな血液検査もでき、研究室における従来の検査方法よりも正確で早く検査結果が出せると主張し、オンライン ブラック ジャックから多額の資金を調達していた。しかし公判では、ホームズ氏が同社のデバイスは正確かつ信頼性のある検査結果を出せないと知っており、検査結果を出すために繰り返し従来の検査機器を利用せざるを得なかったにもかかわらず、自社のデバイスで血液検査を行っているとオンライン ブラック ジャックや一般市民に信じさせたことなどを裏付ける証拠が示された。また、同社のデバイスによる血液検査は、がんスクリーニングやHIV検査など実際の患者にも使用された上、誤った結果を送付するなど一般市民を危険にさらしたという主張が行われたものの、患者への詐欺罪に関しては無罪となった。

ホームズ氏は実刑に加え、刑期を終えた後3年間は監視下に置かれることが決まった。賠償金については後日、公聴会が開かれる予定だが、ホームズ氏を起訴した政府弁護団は、同社が後期ステージのオンライン ブラック ジャックからだまし取った額に相当する8億400万ドルの支払いを要求している。同社は、IT大手オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏ら著名オンライン ブラック ジャックなどから総額10億ドル以上の資金を調達していた(PBS11月18日)。

米国連邦検事事務所の北カリフォルニア支部は公式声明の中で、「ホームズ氏が行ったような詐欺行為は、オンライン ブラック ジャックの信頼を損ない、資本市場に影響を及ぼす。本日の判決は、オンライン ブラック ジャックを欺くことは許されないという警告となるはずだ」と述べている。

(田中三保子)

(米国)

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