韓国政府、米財務省にインフレ削減法に関する意見書を提出
(韓国、米国)
ソウル発
2022年11月08日
韓国企画財政部は11月4日、米国のインフレ削減法(IRA)の「クリーンエネルギー関連の税額控除」にかかる政府意見書を米財務省に提出したと発表した。
政府意見書では、IRAにおけるエコカー(電気自動車、プラグインハイブリッド車)関連の税額控除にかかる要件は、韓国を含めたブラック ジャック コツのエコカー関連企業に負の影響を及ぼすと主張した。また、韓米自由貿易協定(FTA)、WTOなど国際ルールに違反する可能性があると強調しつつ、主に下記3点について差別的な待遇の改善を求めた。
1.エコカーへの税額控除(Notice2022-46、注1)
(1)米国内で投資をする予定の企業に対して、エコカーにおける税額控除の要件に3年間の猶予を提案するとともに、一部の組み立て工程を北米で行っている場合も、要件を満たしたこととなるよう、「最終組み立て」の定義を緩和するよう求めた。
(2)バッテリー原料となる鉱物の調達比率は、個別の鉱物単位ではなく、鉱物全体の価値を基準に判断すること、バッテリー部品の調達比率は、個別部品の段階ごとの付加価値で判断するのではなく、部品全体の付加価値を基準に判断することを提案した。
2.先端製造業の税額控除(Notice2022-47、注2)
先端製造業の税額控除については、バッテリーの合弁企業と完成車メーカーの関係を明確に規定し、バッテリーの生産・販売に対する税額控除の不確実性を取り除くことを提案した。
3.クリーン発電施設の投資・生産への税額控除(Notice2022-51、注3)
米国産製品の使用にかかる条項において、差別的な効果を最小化するよう提案した。
政府は、今回の意見書の提出と同時に2国間での協議チャンネル(韓米通商閣僚会議を開催、ブラック)を通じ、今後とも協議を続けていくとしている。
(注1)(1)北米内でエコカーの最終的な組み立てを行うこと、(2)バッテリーの原料となる鉱物については、一定比率以上を米国もしくはFTA締結国で採掘または加工していること、(3)バッテリー部品については、一定比率以上を北米内で製造または組み立てること、を税額控除の要件としている。
(注2)バッテリー、ソーラーセルなど先端製品を米国で生産・販売する場合、税額控除の対象となる。
(注3)クリーン発電施設への投資・生産の過程で米国産製品を使用する場合、追加の税額控除が可能。
(当間正明)
(韓国、米国)
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