業績見通し、物価高とゼロコロナが重荷に、ジェトロの2022年度実写 版 ブラック ジャック進出日系企業実態調査-全世界編-

(日本)

実写 版 ブラック ジャック調査企画課

2022年11月24日

実写 版 ブラック ジャックは1124日、「ジェトロ 2022年度 ブラック 2022年度 実写 版 ブラック ジャック進出日系企業実態調査-全世界編-」の結果を発表した。このアンケート調査は20229月に実写 版 ブラック ジャック86カ国・地域の日系企業19,143社を対象に実施し、7,173社から有効回答を得た(有効回答率37.5%)。

ゼロコロナ政策で業績見通しが悪化、事業拡大の足かせに

調査結果によると、2022年の営業利益見込みについて、約7,000社のうち64.5%が黒字を見込むものの、業種別では、自動車部品産業などで部材の供給制約やコスト高が起因し、赤字企業が拡大した。国・地域別では、新型コロナウイルス対策のゼロコロナ政策の影響により、前年比で営業利益の「悪化」を見込む企業が中国で4割を超え、「改善」と答えた割合(26.8%)を上回った。

今後12年の事業展開の方向性に関する設問では、現地事業の「拡大」を見込む日系企業は45.4%だった。前年度の調査結果(44.9%)からほぼ横ばいで、新型コロナ禍以前の2019年の水準(48.9%)には届かなかった。

サプライチェーンの見直しについては、全体の過半数、製造業の約6割の企業が今後、見直しに取り組むと回答した。具体的には、原材料や輸送コストの高騰、供給途絶リスクの顕在化から、調達、生産、販売にかかる現地化戦略を推進する動きが目立った。

現地の人員体制については、新型コロナ禍前と比較し、今後12年で駐在員を「削減」する予定と回答した企業(16.9%)が「増加」の割合(15.6%)を上回った。アジアや中南米の主要国を中心に、駐在員を削減する半面、現地従業員を拡充させる傾向が示された。新型コロナ禍での駐在員の退避や一時帰国、リモートでの経営管理体制の定着が現地化を促進させたものとみられる。

脱炭素化や人権尊重の課題、未対応は機会損失リスクに

温室効果ガス(GHG)排出削減(脱炭素化)に関する取り組み状況については、「既に取り組みを行っている」企業が4割を超え、前年比で1割近く増加した。調達先への脱炭素化要請(グリーン調達)を行う企業の割合は前年調査の2倍超となり、サプライチェーン全体でGHG削減意識が急速に浸透している。

また、人権デューディリジェンス(DD)を実施する企業は全体で3割と、各国の法制度整備や取引先からの要請がDD実施を後押ししている。大企業の実施割合(34.7%)に比べ中小企業の実施割合(18.2%)の低さが目立った。前者の多くがDDの実施段階に課題を感じている一方、後者ではその前段階の「人権に対する内容の理解」を課題とする企業の割合が高かった。

各企業の責任ある行動が求められるようになった今、脱炭素化や人権尊重の課題に未対応であることは、取引機会の制限や売り上げ減少につながるリスクとなりつつある。

(深津佑野)

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