1~9月の天然ガス輸出量、前年同期の約4倍
(ギリシャ)
ミラノ発
2022年11月16日
ギリシャの天然ガス配送公社(DESFA)は10月31日、2022年1~9月の国内の天然ガス総需要(国内消費と輸出)を発表。前年同期の57.63 テラワット時(TWh)から13.47%増の65.39TWhだった。そのうち、天然ガスの輸出に関しては、主にブルガリアへの輸出に牽引され、5.17TWhから約4倍の20.41TWhを記録した。
天然ガスは、レビトゥサ島液化天然ガス(LNG)ターミナル(注1)から輸入する量が最も多く、全体の輸入量の42.62%を占めた。具体的には、6カ国60隻の船舶から約27.85TWhのLNGが輸送され、前年同期の25隻から約18.14TWhと比べ、約1.5倍となった。この増加は、主にギリシャ最大のLNG輸入相手国の米国(シェア67.05%)からの輸入増に起因し、同期間の米国からの輸入量は18.67TWh(前年同期は8.04TWh)となった。次いで、アルジェリアから3.95TWh、ナイジェリアから2.07TWh、エジプトから2.00TWh、オマーンから1.03TWh、インドネシアから0.11TWhを輸入した。
その他のギリシャの天然ガス供給地点に関しては、シディロカストロが輸入量の35.7%(23.34TWh)を占めた。次いで、トランスアドリア・パイプライン(TAP、注2)に接続するネア・メシンブリアが輸入量の19.16%(12.53TWh)で、前年同期比27.54%増となった。
国内の2022年1~9月の天然ガス消費量は、前年同期比14.25%減の44.98TWhだった。発電事業者の消費量が引き続き最も多く、消費量全体の73.7%を占める33.15TWhだった(前年同期比6.24%減)。家庭と企業の消費量は前年同期比5.46%増の9.58TWhとなり、消費量全体の約21.30%に相当した。産業部門と圧縮天然ガス(CNG)の消費量は2.24TWhで、前年同期比で71.96%と減少し、消費量全体の4.99%を占めた。
(注1)アテネの西45キロに位置するレビトゥサ島に建設されたターミナルで、ギリシャで唯一、LNG貨物の受け入れ、LNGの一時貯蔵、再ガス化、天然ガスの国家送電システムへの供給を行う。
(注2)トルコ・ギリシャ国境からアドリア海を経由してイタリアに至る「南部天然ガス輸送路」の一部。
(井上友里)
(ギリシャ)
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