UAEと米国がクリーンエネルギー・農業分野へ投資連携進める
(アラブ首長国連邦、米国)
ドバイ発
2022年11月17日
アラブ首長国連邦(UAE)と米国は11月1日、化石燃料から再生エネルギーなどのクリーンエネルギーへのエネルギー移行と、それらの技術に対して1,000億ドルを投資することで連携すると発表した〔11月1日付UAE国営エミレーツ通信(WAM)〕。
同連携は、アブダビで開催されたエネルギー関連見本市「ADIPEC」の会期中に、「クリーンエネルギー加速に向けた2国間協定(The UAE-US Partnership for Accelerating Clean Energy:PACE)」として署名された。協定では、クリーンエネルギーに対して1,000億ドルの投資を行うとともに、2035年までにUAE、米国、新興国におけるクリーンエネルギーを新たに100ギガワット(GW)増やすことが盛り込まれた。
米国・ホワイトハウスの発表では、PACEにおける具体的な取り組みとして以下の5項目が挙げられている。
- 新興国におけるクリーンエネルギーへの投資
- クリーンエネルギー分野の技術革新と展開、サプライチェーン構築の加速
- 二酸化炭素およびメタンガスの排出削減、
- クリーンエネルギーとしての原子力発電技術の促進
- 工業、物流分野での脱炭素化への取り組み
農業分野でも投資イニシアチブをとるUAEと米国
また、両国は11月11日、エジプトで開催されている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)において行われたイベントの中で、農業分野における気候変動対策へのイノベーション投資を倍増し、80億ドルとすると発表した(11月11日付WAM)。
同プロジェクトは、2021年に英国で開催されたCOP26において、両国間のイニシアチブのもと「気候変動対策に向けた農業イノベーション・ミッション(The Agriculture Innovation Mission for Climate:AIM for Climate)」として掲げられたもので、政府・非政府組織を含めた275機関が参加し、2021~2025年にかけて、気候変動に配慮した農業技術の開発や研究の取り組みをおこなっている。当初40億ドルと発表されていた投資額が、今回倍増したかたちだ。UAEと米国に加えて、日本やEUを含む23カ国・地域が参画している。
(山村千晴)
(アラブ首長国連邦、米国)
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