エリア4コーラス・サウス鉱区より天然ガス初出荷
(モザンビーク)
マプト発
2022年11月18日
モザンビーク政府および、エリア4コーラル・サウス鉱区の開発を主導するイタリア資源大手エニは11月13日、同鉱区からの天然ガスの初出荷を発表した。今回生産される液化天然ガス(LNG)に関しては、英国資源メジャーBPと20年間の長期購入契約(10年間の延長オプションあり)が締結されている。翌14日に発表されたBPのプレスリリースによれば、同鉱区のLNG生産能力は年間最大340万トンで、BPは生産されたLNGの100%を購入するという。
コーラル・サウス鉱区は2017年に最終投資決定(FID)が発表され、2022年6月に天然ガスの採掘が始まっていた(2022年7月5日記事参照)。モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は13日の天然ガス輸出開始発表の際、LNGの輸出開始とそれによる税収の増加により、貿易収支と国家財政の改善が期待できるとした。また、洋上浮体式のLNG生産施設(FLNG)の建設工程においてモザンビーク人への技術移転がなされ、習得された技術は今後、様々な国内産業において活用できるとした。その上で、LNG産業のみに依存せず、農業、漁業、観光業、発電など国内主要産業の生産性も向上させる必要があると国民に呼び掛けた。
コーラル・サウス鉱区とロブマ鉱区の2つの鉱区で開発が進んでいるエリア4は、モザンビーク・ロブマ・ベンチャーS.p.A(MRV)が70%の権益を保有し、ポルトガルのエネルギー企業ガルプ・エネルジア、韓国のコガス、モザンビーク国有炭化水素公社(ENH)がそれぞれ10%を保有している。MRVはエニ(35.7%)、エクソン・モービル(35.7%)、中国石油天然気集団(CNPC)(28.6%)によるジョイントベンチャーとなっており、コーラル・サウス鉱区はエニが、ロブマ鉱区はエクソン・モービルが開発を主導する。
(松永篤)
(モザンビーク)
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