大手食品小売りのSMU、中南米初のMFC併設スーパーをオープン
(チリ)
サンティアゴ発
2022年11月28日
チリの大手食品小売会社のSMUは11月24日、オンライン注文の自動化を可能にするマイクロ・フルフィルメント・センター(MFC、注)を併設したスーパーマーケット、ウニマルク(Unimarc)を首都圏州サンティアゴ北東部のロ・バルネチェア地区にオープンしたと発表した。プレスリリースによると、MFC併設のスーパーマーケットは中南米初だ。SMUはチリとペルーで事業を展開し、スーパーマーケット、キャッシュ・アンド・キャリー、コンビニエンスストアネットスーパーを運営している。
SMUが今回導入したのは、米国マサチューセッツ州に拠点を置くテークオフ・テクノロジーズ(Takeoff Technologies)が開発したMFC。ウニマルクに併設したMFCは1,200平方メートルで、人工知能(AI)と連携したさまざまなタイプのロボット34台を設置している。MFCを設置することにより、最大で4つの注文を同時に処理することが可能で、商品発送までの時間短縮や商品選択時の人為的ミスを減らすことができると説明している。
SMUのマルセロ・ガルベス・ゼネラルマネジャーは「MFCを併設した新しいウニマルクは、当社の戦略的決定に対応しており、当社のオムニチャネル(注2)を成長させる重要な要素だ。この世界クラスのテクノロジーを設置するために50億ペソ(約7億5,000万円、1ペソ=約0.15円)以上の投資を行ったが、これにより、より完全で正確なオンライン注文を可能とし、顧客満足度の向上を目指す」とコメント。
SMUのプレスリリースでは、運用開始はまず、サンティアゴのロ・バルネチェア、ビタクラ、ラス・コンデスの3地区を対象とし、徐々に対象地区を拡大していくと発表している。
(注1)マイクロ・フルフィルメント・センター(MFC)とは、従来のスーパーマーケットの中あるいは敷地内などで、商品の受注や梱包(こんぽう)発送、決済という一連の流れを人工知能(AI)と連携したさまざまなタイプのロボットを設置することにより、1カ所で行うことができる自動化された小型保管施設のこと。
(注2)複数の販売チャネルを活用する「マルチチャネル」販売の進化形で、リアルとネットの境界を融解する試み。
(岡戸美澪)
(チリ)
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