湖南省、8億元超の輸出入貨物にRCEP協定を適用
(中国)
中国北アジア課
2022年11月30日
中国・湖南省政府は11月18日、長沙税関のデータを基に、2022年1~10月に同省の合計8億900万元(約153億7,100万円、1元=約19円)の輸出入貨物が地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に基づく特恵関税の適用を受け、その減税額が同年累計で1,161万元に達したと発表した。同税関は、主に靴や金属、化学工業製品などの輸出品に対して、RCEP協定に基づく1,317件の原産地証明書を発行。輸入では、主にゴムや樹脂、エンジン、自動車部品などに対して、75件のRCEP協定に基づく輸入申告を受理した。1~10月の湖南省のRCEP協定加盟国との貿易額は、前年同期比28.7%増の1,814億8,000万元で、その伸びは同省の対外貿易額(人民元)の伸び(21.6%)を上回った。
長沙税関はRCEP協定について「湖南省の対外貿易企業は、関税譲許の実施状況をできるだけ早く把握し、原材料を調達する市場と貿易の目標とする市場を調整し、関連する税関の政策にも注意を払いつつ、機会をつかむべきだ」とし、同省企業の同協定の利用拡大に期待を示している。
湖南省の貿易総額に占めるRCEP協定加盟国との取引割合を35%以上に
中国では2022年1月1日からRCEP協定が発効し、各種関税の減免や原産地累積規定の活用などが進んでいる(2022年1月7日記事参照)。湖南省政府は6月1日、同省の貿易総額に占めるRCEP協定加盟国との取引割合を2025年までに35%以上にするという目標を定めた「湖南省における地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の全面的な実施に係る行動計画(2022~2025年)」を発表した。この行動計画では、輸出面でRCEP協定加盟国の優遇税率を活用し、従来の衣料品や鞄、靴などの輸出をはじめ、建設機械やスマート設備、電子ブラック ジャック 遊び方関連製品、新素材などのハイテク製品の輸出を拡大するといった方針を示した。輸入面では「湖南省輸入奨励商品目録」を整備し、RCEP協定加盟国からの先端技術、重要設備、コア部品、質の高い農産品や消費財の輸入を拡大するとした。税関手続きの面では「急送貨物の到着後かつ必要な税関書類の提出後、可能な限り6時間以内に引き取りを許可する」というRCEP協定の規定に基づいて対応し、国際貿易における単一窓口の機能を強化することで、貿易の円滑化を推進するとした。
(片小田廣大)
(中国)
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