テマセク基金が食と環境の技術を国際的に公募、賞金総額を約2億円に倍増

(シンガポール)

シンガポール発

2022年11月24日

シンガポールの非営利団体、テマセク基金は11月7日、環境関連の先端技術を公募する「2023年ザ・リバビリティー・チャレンジ」を開始した。同基金は、2018年から環境問題に資する先端技術の公募を毎年実施している。今回は、優勝した企業・団体への資金供与額を前回の2倍の200万シンガポール・ドル(約2億400万円、Sドル、1Sドル=約102円)へと増額する。

2023年の公募のテーマは、(1)気候変動と(2)食と栄養の2つ。各テーマの優勝者について、それぞれ100万Sドルの資金を授与する。1つ目の気候変動のテーマについては、発電プラントや産業界に関する脱炭素技術、炭素を回収・活用し国際市場向けに大量生産可能な製品の開発技術を求めている。また、東南アジアの沿岸や海洋のエコシステムの回復につながる革新的なソリューションを募集する。2つ目の食と栄養をテーマにした公募は、テマセク基金とシンガポール食品庁(SFA)の共催により実施。循環型都市農業または養殖システムの革新的な技術のほか、先端的な代替タンパク質の技術を募集する。

写真 「ザ・リバビリティー・チャレンジ」のロゴ(主催者提供)

「ザ・リバビリティー・チャレンジ」のロゴ(主催者提供)

同公募の応募条件として、概念実証(PoC)の段階で、技術成熟度レベル(Technology Readiness LevelsTRL6以上である必要がある。また、応募者の国籍は問わないが、シンガポールを初めとする南国の都市に適した技術であることを条件としている。

同公募は2023331日に締め切られる。最終選考に選ばれた企業・団体は202368日にピッチコンテストを行い、優勝者を決定する。前回の公募「2022年ザ・リバビリティー・チャレンジ」では、魚の脂肪培養の開発に取り組む日本人研究者が立ち上げたスタートアップ、インパクファット(ImpacFat)が、400以上の応募企業・団体から最終選考に進んだ6社・グループの1社に選ばれていた(2022年5月26日記事参照)。

今回のチャレンジの公募の詳細や申し込み方法については、ザ・リバビリティー・チャレンジのホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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