BMW、17億ドルを投じて米国にBEV生産とバッテリー組立工場建設へ
(米国、ドイツ、日本)
アトランタ発
2022年10月20日
ドイツ自動車大手BMWグループは10月19日、17億ドルを投じて新たに米国でのバッテリー電気自動車(BEV)の生産とバッテリー組立工場の建設を発表した。1994年以来、500万台以上の完成車の生産を行っているサウスカロライナ州スパータンバーグの工場において、10億ドルを投じて新たにBEVを生産するほか、7億ドルを投じてスパータンバーグ近郊のウッドラフに高電圧バッテリー組立工場を新たに建設する。
BMWは米国でのEV生産に関して、現在スパータンバーグの工場でプラグインハイブリッド車(PHEV)2車種(BMW X3 xDrive30e、BMW X5 xDrive45e)および、これらの車種向けのリチウムイオンバッテリーモジュールを生産している。2021年には約7万台のPHEVが生産されたが、米国でのBEV生産の発表は今回が初となる。2030年までに6車種のBEVを米国内で生産する計画だ。
新たに建設されるバッテリー組立工場では、BEV向けの次世代バッテリーを生産する。バッテリーセルの調達に関して、BMWグループは「ローカル・フォー・ローカル」の原則に従い、EVを生産する場所でバッテリーセルを調達することを目指している。バッテリーメーカーのエンビジョンAESC(本社:神奈川県座間市)をパートナーとし、同社がサウスカロライナ州に新たに建設するバッテリー工場からバッテリーセルを調達する。スパータンバーグの工場では約1万1,000人が雇用されているが、新工場の建設に伴い新たに300人以上が雇用される見込みだ。
今回の発表を受けて、サウスカロライナ州のハリー・ライツィ商務長官は「BMWの今回の投資発表は、米国、世界での自動車の変革の時において、サウスカロライナ州が不可欠なプレイヤーであることを証明している」「BMWはサウスカロライナ州が自動車産業を未来へ向けて推進するのを助けている」と称賛した。
米国南東部では2022年に入り、フォルクスワーゲン(VW)が7月から、メルセデス・ベンツが8月から、それぞれEVの生産を開始するなど、欧州系完成車によるEV生産の流れが加速している(2022年10月17日付地域・分析レポート参照)。
(石田励示)
(米国、ドイツ、日本)
ビジネス短信 f5af0e67814dc108