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(ペルー)
リマ発
2022年10月19日
ペルー国家検察庁のパトリシア・ベナビデス検察官は10月11日、ペドロ・カスティージョ大統領に対する訴状を議会に提出した。それによると、カスティージョ大統領は政権内において不正に政府入札を操作し違法な利益を得ていたグループの首謀者とされている。ベナビデス検察官は「3カ月におよぶ捜査の結果、運輸通信省、国営石油会社ペトロペルー、住宅建設衛生省における事案について組織的犯罪、斡旋(あっせん)収賄罪と共謀罪に関わる十分な証拠が得られたと考える」と述べている。具体的には、重要なポジションへの関係者の任命、大統領職の権限を乱用し不正落札された入札の謝礼金などから経済的利益を収得していたとされている。また、今回の訴状の取り扱いについては、国連の「腐敗の防止に関する国際連合条約」の枠組みにのっとり議会に委ねるとしている(注)。
この訴状には、カスティージョ大統領のほかにも、フアン・シルバ元運輸通信相、ヘイネル・アルバラード元住宅建設衛生相、ウーゴ・チャベス元ペトロペルー・ゼネラルマネージャーら以前から汚職への関与が疑われていた人々のほか、13人に上る通称「影の内閣(Gabinete en las Sombras)」のメンバーも名前を連ねている(添付資料表参照)。
これに対して、カスティージョ大統領側は外国報道機関限定の記者会見の場で「新手のクーデターだ」と非難。10月17日にはベンジ・エスピノサ弁護士を通じて、最高裁に対して訴えの棄却の申し入れを行った。
一方、経済界からはペルー経団連(CONFIEP)、ペルー輸出業協会(ADEX)、ペルー工業協会(SNI)、ペルー全国商工会議所連合(PERUCAMARAS)などが、議会に対して、検察が提出した事実に基づいて早急に決断を下すよう促す声明文をそれぞれ発表している。
(注)ペルー憲法第117条では「任期中の大統領の起訴は、(1)国家への背信行為があった場合、(2)大統領選挙・議会選挙・地方総選挙を妨害した場合、(3)憲法に反して議会を解散した場合、(4)選挙管理委員会の活動を妨害した場合のみ可能」とされている。そのため、今回は国連腐敗防止条約の枠組みに則したかたちとなっており、憲法違反に当たるどうかの最終決定はその権限を持つ議会に委ねられた。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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