武漢市で新型コロナ対策強化、一部区域で封鎖措置を実施
(中国)
武漢発
2022年10月27日
中国の湖北省武漢市では、新型コロナウイルスの無症状感染の拡大を受け、省市レベルで明文化した規制は変えずに、区や街道、社区などの行政レベルで厳格な対応を求める事例が相次いでいる。
国務院ウェブサイト「新型コロナウイルスリスク等級検索」(中国語:疫情風険等級査詢)などによると、10月25日時点で湖北省内に中高リスク地域は存在しないといしている。中国政府ウェブサイト内のデータベース「各地新型コロナウイルス防止・コントロール政策措置」(中国語:各地疫情防控政策措施、新型コロナウイルス関連トランプ)には、省外の中高リスク地域から湖北省内に移動する場合の対応(高リスク地域の場合、隔離ホテルで7日間の集中隔離など、中リスク地域の場合は7日間自宅隔離など)のみを記載している。
一方、武漢市内では10月14日ごろから無症状感染者などの確認も相次いでおり、感染者が生活する社区を数日間封鎖するなどの措置が取られている。直近では18日ごろから、きょう口(きょうは石へんに喬)区、江岸区などで無症状感染者などが発見されたため、日本食レストランを含む社区などが封鎖され、現在も同措置が続いている。加えて、26日からは漢陽区全域で類似の措置が取られている。
このような状況から、武漢市疾病予防コントロールセンターは21日、大幅な行動制限を求める通知を出している。通知では、(1)必要がなければ、人が集まる場所(ショッピングモール、観光地、レストラン、農産物・水産物市場など)に行かないこと、(2)多くの人が集まるイベント(公園や広場での集まりや将棋、合唱など)を避けること、(3)マスク着用や場所利用を登録する「場所コード」のスキャン、24時間以内のPCR検査の陰性証明の提示を徹底すること、(4)体調不良を感じたら迅速に医者にかかることを呼びかけた(「長江日報」10月20日)。
湖北省外から武漢市に来訪する場合は、ホテルなどに事前確認を
武漢市の通知を受け、先述のきょう口(きょうは石へんに喬)区、江岸区など武漢市の漢口エリアをはじめ、感染者が発見された市内の各区、各社区などでは、感染者が発見された区域をバリケードにより封鎖するほか、スーパー、薬局、食事のケータリングなど生活に必要なものを除き、ショッピングモールや飲食店、娯楽施設などを営業停止する措置が継続されている。
なお、同措置は、武漢市の自粛を求める通知に応じたものであることから、社区によって対応は異なる。武漢市に来訪する際には、周辺の状況や行動規制の内容などを滞在予定のホテルなどに事前確認することが望ましい。
(楢橋広基)
(中国)
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