米国、今冬の一般家庭の暖房費はガスで前年比3割近く上昇、電気は1割増、EIA見通し
(米国)
ニューヨーク発
2022年10月14日
米国エネルギーブラック ジャック オンライン局(EIA)は10月12日、米国の一般家庭の今冬(10月から3月まで)の天然ガスによる暖房費が前年同期比で28%上昇するとの見通しを示した。電気代は10%上昇する見通し。食料品やガソリンなど生活必需品の高インフレに苦しむ米国の一般家庭にとって、さらなる負担となり、11月の中間選挙を前にバイデン政権にとっては逆風となりそうだ。
見通しは、今冬は例年よりやや寒くなるとする海洋大気庁の予報に基づいており、より多くのエネルギーが全米で消費されると予想している。米国では46%の家庭が暖房に天然ガスを使用しており、それらの家庭での今冬のガス利用料の総額は前年比28%増の931ドルと予測する。また、暖房に電気を使用している家庭も41%あり、これらの家庭では10%増の1,359ドルになると見込む。プロパンガスや灯油を使用している家庭も9%ほどあるが、この場合にはさらに高額となり、それぞれ5%増の1,668ドル、27%増の2,354ドルに達するとしている。これらの数値はベースラインで、仮に想定より10%寒かった場合には、ガスの場合は51%増の1,096ドル、逆に10%暖かかった場合は19%増の862ドルにとどまるという。
ガスを利用する家庭について、地域別でみると、寒さが厳しい北東部は前年比23%増の1,094ドル、中西部で33%増の1,013ドル、西部で29%増の834ドル、南部で24%増の761ドルとなっている。ガス小売価格は、最も高い西部で1,000立方フィート(約28立方メートル)当たり17.46ドル(23%増)、最も安い中西部で13.80ドル(27%増)、全国平均では15.95ドル(22%増)を見込んでいる。
9月の消費者物価は前年同月比8.2%上昇と高止まりが続いており、食料品は11%程度の伸びが続く。落ち着きをみせていたガソリン価格も、10月にかけて上昇に転じてきており(2022年10月14日記事参照)、暖房費の上昇は家計にとって大きな負担だ。ニュージャージー州のモンマス大学による世論調査では、連邦政府が取り組むべき課題は「インフレ」が最も高いものの、その一方で、バイデン政権による「インフレ」への取り組みに対する評価はほかの課題に対して相対的に低くなっており(関連ブラック ジャック ルール)、暖房費の高騰をはじめ、高インフレを中間選挙までにどこまで抑えこめるか、引き続き注目が集まる。
(宮野慶太)
(米国)
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