米カリフォルニア州の2022年の経済規模、ドイツを上回る見通し

(米国、ドイツ)

サンフランシスコ発

2022年10月26日

米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は10月24日、米国メディアの報道を引用するかたちで、同州の名目州内総生産(GSP)がドイツを抜き、米国、中国、日本に次いで「国別」で世界第4位に相当する経済規模になる見通しだと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2021年のドイツの名目GDPは4兆2,200億ドル、カリフォルニア州は3兆3,570億ドルで、ドイツが上回るが、2022年ではカリフォルニア州が追い抜くことが見込まれる。同州の名目GSPは既に2015年にブラジル(7位)とフランス(6位)を上回り、2017年に英国(5位)も上回っている(ブルームバーグ10月24日)。

ニューサム知事は「カリフォルニアの最高の時代は過ぎ去ったとよく言われるが、現実はそれが的外れな批判であることを証明している。それどころか、カリフォルニアの経済成長や雇用の伸びは、米国経済全体を刺激し続けている」と述べ、「カリフォルニアの価値観や起業家精神が世界第4位の経済規模になる原動力となっている。われわれは、再生可能エネルギーやクリーンエネルギーなど未来の産業に力を入れ続ける」として、さらなる経済成長に向けた取り組みを強調した。発表では具体的に、温室効果ガス(GHG)を排出しないゼロエミッション車(ZEV)の普及に向け、充電インフラの構築や、購入支援助成などを含む100億ドルの支援パッケージを実行していることを挙げた。

また、ブルームバーグの報道(10月24日)では、時価総額10億ドル以上のカリフォルニア州の企業379社と、ドイツ国内の上場企業155社を比較すると、過去3年間の企業の収益と時価総額の伸びについて、カリフォルニア州がそれぞれ2.5倍、2.2倍になったのに対して、ドイツ企業は41%増、34%増にとどまり、いわば企業の「稼ぐ力」でもカリフォルニア州が優位にあるとしている。中でも、過去3年で、カリフォルニア州経済を牽引するハードウエア、メディア、ソフトウエア産業の売上額がそれぞれ63%増、95%増、2.2倍、時価総額はそれぞれ2.8倍、54%、58%伸びている点を指摘している。

(石橋裕貴)

(米国、ドイツ)

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