コンゴ民主共和国でプレCOP27開催、途上国への支援を要請

(アフリカ、コンゴ民主共和国、エジプト)

中東アフリカ課

2022年10月06日

コンゴ民主共和国のキンシャサにおいて10月3日と4日、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に先立って閣僚級準備会合(プレCOP27)が開催された。プレCOP27には、11月にエジプトで開催されるCOP27における気候変動対策の交渉の進展に向けて、世界から50人以上の気候変動関連の閣僚や特使が参加した。

プレCOP27の開催国であるコンゴ民主共和国のイブ・バザイバ環境相は、アフリカにおいて温室効果ガス排出量は世界全体のわずか4%であるところ、多くの貧困層が存在すると述べ、途上国における石油・ガスを活用した経済成長と気候変動対策の両立のための支援を訴えた。また、コンゴ民主共和国は国土の約6割を占める広大な熱帯雨林を保有しており、COP27において、カーボンクレジットに関する価格交渉などに取り組む姿勢を見せた。

エジプトのサーメハ・シュクリー外相は、先進国から途上国へ毎年1,000億ドル規模の気候変動対策費用を拠出するとの約束が果たされていないと強調し、アフリカなどの途上国への支援を要請した。一方、同相はCOP27で議長を務める予定であり、COP27においては、各国が国益のみを考えるのではなく、国際的に協力してウィンウィン(Win-Win)となるシナリオを追求するとの意向も示した。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、会合にオンラインで参加し、温室効果ガスの排出が多い国から、気候変動の影響を受ける途上国への支援や協力に関する合意形成を呼びかけた。また、パキスタンの大洪水や欧州における記録的な猛暑、米国の大型ハリケーン被害などの世界の異常気象や気候変動の危機について触れ、COP27での気候変動対策に関する議論の進展に期待を示した。

(井澤壌士)

(アフリカ、コンゴ民主共和国、エジプト)

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