カナダのアルガブラ運輸相、タスクフォースによる国内サプライチェーン改善提言を歓迎
(カナダ)
トロント発
2022年10月11日
カナダのオマール・アルガブラ運輸相は10月6日、「全国サプライチェーン・タスクフォース」が同日発表した最終報告書を歓迎するとともに、「大きな関心を持って検討する」と発表した。同相は、新型コロナ禍と気象災害による輸送の混乱を経て、2022年1月に開かれた「全国サプライチェーンサミット」でタスクフォースを設立し、強靭(きょうじん)なサプライチェーンの確立についての提言を受け入れることにしていた。
タスクフォースは、同相から指名を受けた、食品製造大手ラソンド・インダストリーズで最高執行責任者(COO)を務めたジャン・ガトゥーソ氏とブリティッシュ・コロンビア州トラック協会元会長のルイーズ・ヤコ氏の2人を共同議長とする、合計8人の民間有識者から構成されている。
最終報告書では、「行動、協力、変革」というタイトルにみられるとおり、これら3つをカナダのサプライチェーン改善における包括的なテーマとして掲げ、合計21の行動指針が推奨されている。主要なものとして、(1)港湾混雑の緩和、(2)労働力不足と従業員の定着化への取り組み、(3)連邦政府の関連活動を統合するための連邦サプライチェーン・オフィスの設立、(4)回廊、国境通過、ゲートウエーのサプライチェーンの混乱からの保護、(5)国家輸送サプライチェーン戦略の策定、(6)規制、政策、プロセスの相互承認に向けた米国および州・準州との関与が挙げられている。
アルガブラ運輸相は「カナダ国民が必要不可欠な商品を確実に受け取れるようにすることは、わが国政府にとって最優先事項だ」とした上で、「タスクフォースの最終報告書は、カナダが国家のサプライチェーン戦略を策定する上で、非常に貴重なものとなるだろう」とコメントし、最終報告書での提言に基づいて、国家サプライチェーン戦略を策定予定であることを明らかにした。
なお、当地報道によると、同相は、報告書のアクションに従うとの明言は避けているものの、タスクフォースから提言された港湾の行政機構を現代化するための法案を2022年中に提出する予定であることを明らかにしたという(「グローブ・アンド・メール」紙10月6日)。
カナダでは昨今、子供用の解熱薬などが店頭で不足する(「グローバルニュース」10月6日)など、サプライチェーンの混乱が続いており、混乱解消が喫緊の課題となっている。
(飯田洋子)
(カナダ)
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