首相が連邦議会下院を解散、11月にも第15回総選挙

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年10月12日

マレーシアのイスマイル・サブリ首相は10月10日、前日に国王の同意を得て、連邦下院(定数222、任期5年)を解散すると発表した(首相府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、マレー語のみ)。憲法の規定で、総選挙は解散から60日以内の12月9日までの間に行われる。州議会選挙で最大与党勢力の勝利が続き、与党から早期に総選挙実施を求める声が強まっていた。

選挙の具体的な日程は選挙管理委員会が決定するが、11月には洪水をもたらす北東モンスーンが到来する恐れもあるが、11月中に実施される公算が大きいと報じられている。この時期に頻発する豪雨や洪水への懸念から、政界や国民の間でも年内の選挙実施に対する反対は多かった。マレーシア王室が10日に発表した声明では、国王は現在の不安定な政治情勢に失望感を表明。安定した政権を選ぶためには解散せざるを得なかったと指摘するとともに、モンスーンシーズン前に選挙を実施するよう求めた。

新政権発足までは臨時政府が政権運営を担う。この間、法案審議は停止し、新たな政策が打ち出されることはない。財務省は10月7日に、2023年度国家予算案を下院に提出したばかりだった。予算案が可決する間に解散に至ったのは、1999年以来2度目。今回の予算案は、新内閣の発足後にあらためて議会に提出されるが、既に提示した内容に大きな変更はない見込みだとザフルル・アジズ財務相は明言している。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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