米ミシガン州でEVバッテリー関連の大規模投資が相次ぐ

(米国、中国、カナダ)

シカゴ発

2022年10月12日

米国ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)とミシガン州経済開発公社(MEDC)は10月5日、ミシガン州戦略ファンド(注1)が、州内の電気自動車(EV)関連事業と農業関連のインフラ改善プロジェクトを承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたと発表した。これらプロジェクトには41億ドル以上が投資され、州内で合計4,600人の直接雇用が創出されるという。

今回の投資では、ミシガン州からも助成金が拠出される。助成金を受けるのは、ミシガン州ノバイを拠点とするEV用バッテリー・エネルギー貯蔵技術開発のアワー・ネクスト・エナジー(Our Next Energy:ONE)、中国の大手EV用バッテリー開発製造の国軒高科(ゴーションハイテク)の子会社ゴーション(Gotion)、それに州内の幾つかの農業関連企業だ。

ONEは、同州西部バンビューレン郡に同社初のセルとEV用バッテリーパックの最新鋭のギガファクトリーを設立し、最新技術を使った製品を市場に投入する予定だ。この施設は、米国では数少ない、米国企業が所有するリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーセルとアノードフリーバッテリーセルの両方を製造する工場となる。この工場設立で総額16億ドルの資本が投入され、最大約2,100人の雇用が創出される見込みだ。同社は、同州の戦略的支援・誘致準備基金(SOAR)を通じて、実績に合わせて、2億ドルの助成などを受ける。

一方、ゴーションは、EVやその他のエネルギー貯蔵システムなどに使用されるバッテリー前駆体材料(注2)を製造する2つの工場を含む施設を、同州北部のビッグラピッズ市に建設する計画だ。新たな工場建設によって、総額23億6,000万ドル以上の資本投入と、最大2,350人の雇用創出が見込まれる。同社もSOARを通じて、1億2,500万ドルの重要産業プログラム助成金などの優遇措置を受けるとのことだ。

なお、ミシガン州は10月4日にも、カナダの大手EV充電器製造・充電ネットワーク事業者のフロー(FLO)が初の米国新工場を同州オーバーンヒルズに開設したと発表した。同社はこの新工場に3億ドルを投資し、2023年末までに133人を雇用する予定だ。さらに、2028年までに雇用数を730人まで拡大し、米国国内用に25万基の充電器の生産をする計画だ。同社は、ミシガン州ブラック ジャック ゲーム ルール開発プログラム(MBDP)から80万ドルの助成金を受ける。

(注1)ミシガン州戦略ファンド(Michigan Strategic Fund)は、経済発展の促進と雇用創出支援のために、州が1984年に創設した制度。州内の観光、映画産業、芸術、文化問題の促進といった分野まで含めた、多岐にわたる業界の事業開発、コミュニティー開発、人材強化やマーケティング活動などを資金援助する。

(注2)バッテリー前駆体とは、バッテリーの正極材を作るのに必要な材料で、ニッケルやコバルトなどさまざまな金属の化合物から構成される。

(星野香織)

(米国、中国、カナダ)

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