中銀が新紙幣発行を発表、通貨安が進む
(ナイジェリア)
ラゴス発
2022年10月31日
ナイジェリア中央銀行(CBN)は10月26日、流通通貨管理のため、現行の200ナイラ(約68円、1ナイラ=約0.34円)、500ナイラ、1,000ナイラの各紙幣について、新紙幣に切り替えていくと発表した。
発表によると、新紙幣は12月15日から流通が開始され、現行紙幣は2023年1月31日まで有効という。1月31末日までは新旧両紙幣が法定通貨として使用されるが、現行紙幣は翌2月1日以降、法定通貨でなくなり、兌換(だかん)などができなくなる予定だ。CBNは、銀行に預金口座を所持する場合、現行紙幣が有効なうちに現行紙幣を自身の口座に預けるよう求めている。
CBNのゴッドウィン・エメフィエレ総裁は新紙幣発行の理由として、市民による紙幣の買い占めが顕著で、流通する通貨の80%以上が商業銀行の金庫の外にあることを挙げた。また、清潔で適切な紙幣の不足が深刻化し、それに伴ってCBNに対する印象が悪くなり、金融の安定に対するリスクが高まっているほか、偽造リスクが高まっていることを指摘した。なお、新紙幣のデザインは未発表だ。
今回の発表を受けて、10月28日の実勢レート(注)として機能する公認両替商(BDC)レートの終値は1ドル=780ナイラとなった。ナイジェリアの為替レートは2022年初めの565ナイラに比べて、27.6%下落している。
(注)公定レートのNAFEXレート(投資家と輸入業者のためのレート)は、10月27日現在1ドル=438ナイラ(中央値)。
(馬場安里紗)
(ナイジェリア)
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