ブラック ジャック 遊び方、取り扱い希望飲食店も
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2022年10月31日
ジェトロは9月4日から14日にかけて、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス市において日本のカレー試食会を行った。試食した消費者の反応は良く、また、飲食店関係者から今後、積極的に取り扱いたいとの声が聞かれた。
一般的に、アルゼンチン人は食に対して保守的と考えられている。統計は存在しないが、飲食店に占めるピザ屋やステーキ店の割合は、体感的にはかなり大きい。また、辛い物は苦手ともいわれている。しかし、ブエノスアイレス市を中心に日系人やアルゼンチン人が経営する寿司(すし)店は人であふれかえっており、いわゆる日本風の寿司ではないにせよ、寿司を食べる習慣は相当定着している。ただ、飲食店関係者によると、冬場は寿司の売り上げが一時的に落ちるという。そのため、日系人を中心に寿司以外の流行づくりに取り組んでおり、2021年来ラーメンが、現在はカツサンドがちょっとしたブームとなっている。
ジェトロは2022年9月、当地の日本料理店の互助組織である「ガストロハポ」と連携し、ブエノスアイレス市内の日本庭園において一般消費者向けのカレーライスの提供、ガストロハポ加盟店によるカレーを使った独自メニュー提供の2つのプロモーションを行った。いずれも中辛のカレールーが使用された。
前者、後者ともにカレーを食べた人を対象にアンケート調査を実施した(添付資料表参照)。日本庭園、飲食店でのアンケートの有効回答数はそれぞれ130人。
日本庭園でのアンケート調査の結果をみると、アルゼンチン人が110人、その他が20人。年齢層は、18歳から39歳が111人、40歳以上が19人だった。記名で回答のあったアルゼンチン人96人のうち、94人は非日系人と推測される。全回答者のうち88人が初めて日本のカレーを食べた、全回答者のうち128人が「気に入った。また食べたい」と回答した。辛さについては「ちょうど良い」が87人、「もっと辛い方がよい」が28人、「辛すぎた」が15人と、辛さについては意外に耐性があるようである。調理法を知っていたら家族の食事に取り入れるかどうかとの問いに対しては、「自分で料理して家族や友人に振る舞いたい」が98人、「日本食レストランで食べたい」が26人、「イベントでしか食べない」が6人との回答で、家庭で消費する需要も意外と大きいようである。回答者の属性からは、比較的若い年齢層は、食に対してそれほど保守的でないことが推測できる。飲食店でのアンケート結果もおおむね同様の傾向だが、日本のカレーを食べたことがある人の方が多い点が異なる。
日本産のカレールーは高価だが、それでも、大量に作れて効率が良い、ギソと呼ばれる煮込み料理に似ていて入りやすい、メニューを多様化するために使いやすい、など飲食店関係者の評価は前向きだ。プロモーションの結果、定番メニュー化する飲食店も出てきている。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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