北京市、カーボンピークアウト達成に向けた実施方案を発表
(中国)
北京発
2022年10月25日
中国の北京市政府は10月13日、「北京市カーボンピークアウト実施方案」(以下、方案)を発表した。
方案では主要目標として、2030年までにエネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を25%前後とし、単位GDP当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を国家目標(注)の水準まで削減し、2030年までにカーボンピークアウトを達成するとしている。
方案では、目標達成に向けた主な取り組みとして、以下7分野(28項目の任務を含む)の内容を挙げている。
(1)都市機能の位置付けの深化、経済社会のグリーン発展への全面的な転換促進
中心市街地で低炭素化に向けた都市改造を進める。北京市副都心(同市通州区)において国家グリーン発展モデル区を建設する。
(2)科学技術イノベーションのリーダーシップ強化、グリーン低炭素経済システムの構築
北京市を、国際的な影響力があり、地域への波及力を持つグリーン技術イノベーションの中心地とする。データセンターの建設規模を合理的にコントロールし、省エネ・炭素排出削減のための改造を進める。
(3)エネルギー利用効率の継続的改善、エネルギーのグリーン低炭素への全面的な転換促進
化石燃料エネルギーの利用を厳格にコントロールし、各種施策によってその消費総量を段階的に減少させる。また、緊急時以外では基本的に石炭を利用しない。
河北省、内モンゴル自治区、山西省との再生可能エネルギー電力の開発・利用における協力を深め、北京市へのグリーン電力送電網とピーク時の蓄電施設の建設を強力に推進し、新エネルギーに基づく新しい電力システムを構築する。
(4)重点分野における低炭素開発の促進、生態系の炭素吸収・貯留能力の向上
建設、暖房システム、公共交通などにおけるグリーン低炭素化を進める。森林などの炭素吸収源を増やす。
(5)改革・イノベーションの強化、規制・政策基準の保障システム整備
(6)地域の低炭素協力メカニズムの革新、地域間の協力によるカーボンピークアウト・カーボンニュートラルの推進
(7)組織のリーダーシップ・実施の保障強化
中国の2030年のCO2排出のピークアウト、2060年のカーボンニュートラルの実現のため、首都北京市での取り組みが展開されている。
(注)中国全体では2025年までのエネルギー政策の方針が発表されており、その中で、第14次5カ年(2021~2025年)規画期間中、単位GDP当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を2021年から5年で18%削減するとされている(2025年までのブラック ジャック)。
(趙薇)
(中国)
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