新型コロナワクチン接種率が20%超

(アフリカ)

中東アフリカ課

2022年10月17日

世界保健機関(WHO)は9月21日、アフリカ地域の新型コロナウイルスワクチンに係る状況をまとめた報告書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

それによると、9月4日時点で、アフリカ大陸の全人口の約20.3%に当たる合計2億3,590万人がワクチン接種を完了したという。うち、モーリシャスとセーシェルはそれぞれ75.3%、76.3%と高い接種率を達成しているものの、ブルンジ(0.1%)、コンゴ民主共和国(3.0%)、カメルーン(4.5%)、マダガスカル(5.1%)、セネガル(6.5%)などではいまだ10%未満にとどまっているという(添付資料図参照)。

ワクチン供給について、人口100人当たり60.8回となる合計7億回以上のワクチンがアフリカ地域で供給された。その66.6%が国際的な枠組みのCOVAXファシリティーから供給されたもので、メーカー別ではジョンソン・エンド・ジョンソン(32.0%)、ファイザー(19.2%)、シノ・ファーム(14.2%)、アストラゼネカ(13.0%)となっている。うち、7月末時点で、接種されずに使用期限切れで廃棄されたワクチンは1,500万回以上に上るという。

アフリカ地域の接種率は、WHOや各国政府の尽力で着実に伸びているものの、世界平均の6割を大きく下回っている。目下のアフリカの1日当たり新規感染者数は大陸全体で700人前後と、低水準に移行していることから、ワクチン接種率の急速な伸びは期待できない状況だ。また、ワクチンに対する国民の抵抗感も強く、普及啓発活動が必要とされている。レポートでは、タンザニアとザンビアの活動を成功事例として紹介している。タンザニアは故ジョン・マグフリ前大統領が新型コロナウイルスの存在を否定する発言をするなど、一切の対策が取られていなかった。しかし、2021年3月に就任したサミア・スルフ・ハッサン大統領()が方針を転換。現在では接種率が28.1%まで伸びている。

(佐藤丈治)

(アフリカ)

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