自動車産業育成に向け、行政手続き改善を目指す
(エジプト)
カイロ発
2022年10月17日
エジプトでは、自動車産業育成に向け、新たな施策や課題の解決に関する動きがある。日本・エジプト科学技術大学(E-JUST)は、9月13~15日に電気自動車(EV)と製造業の付加価値向上に関するフォーラムを開催した。アシュラフ・エルアラビー国家計画研究所代表(元計画・検査・行政改革相)は、EVメーカーを誘致するには、政府の強力な支援が必要と主張した。エジプト国会では、自動車産業育成のための委員会が設立され、EV産業育成などの基金設立に関する審議が予定されている。
また、ムスタファ・マドブーリー首相は9月13日、自動車を含む外資系の製造業と面談し、「新たに10億ドルの投資と3万5,000人の新規雇用を創出したい」と期待を述べ、投資フリーゾーン庁(GAFI)に対して、行政手続きの改善を指示した。6月にGAFIと自動車部品工場の新設・拡張の覚書を締結した矢崎総業ヨーロッパおよび住友電装子会社(SE Wiring Systems Egypt)も同席し、法人設立状況や課題について議論報告した。
9月18日に開催された日系企業との会合においては、モハメド・マート財務相が「2021年7月から2022年3月までの日本からの直接投資額は、前年同期比52%増であり、さらなる投資増に向けた協力を惜しまない」と言及し、日系企業が抱える通関や税務に関連の課題について、税関などに対し即時行動するよう指示した。
さらに、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は9月27日、GAFIなどとの会合において、「投資プロジェクトは税収と雇用創出につながる。投資に関する行政手続き課題は改善が必要」と強調した。また、多くの製造業が苦しむ輸入抑制措置(2022年9月27日記事参照)により、生産が滞る状況について解決に向けて取り組んでいると語った。
(福山豊和)
(エジプト)
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