ロッテルダム港、ブラック ジャック 攻略
(オランダ、スペイン)
アムステルダム発
2022年10月27日
オランダのロッテルダム港湾局とスペインの総合石油会社セプサ(Cepsa)は10月11日、欧州の主要港の2つであるロッテルダム港とスペインのアルへシラス港間のグリーン水素サプライチェーンに関する覚書(MOU)を締結したと発表した(プレスリリース)。
同覚書で両者は、欧州の北部と南部を結ぶ初のグリーン水素回廊の設置に向けて協力することに合意。当該ルートは2027年までに稼働予定としている。
セプサはアルへシラス港近郊のサンロケ・エネルギーパークで生産した水素を、アンモニアやメタノールなどの水素キャリアを介してロッテルダム港へ輸送することを見込んでいる。
ロッテルダム港は欧州で最も重要なエネルギー港の1つで、欧州のエネルギー需要の13%を処理している。また、アルヘシラス港はスペインで1位、欧州で4位の港で、欧州とアジアの間の重要な貿易港の1つだ。
セプサのマーティン・ウェスラー最高経営責任者(CEO)は「この合意は、欧州のエネルギー転換をもたらし、安全で独立したエネルギー供給を確保するために必要な重要な協力の一例だ。セプサは、グリーン水素とバイオ燃料の大陸全体の展開を加速できるよう、さらなるパートナーシップを模索し続ける」と述べた。
ロッテルダム港湾局のアラード・カステラインCEOは「今回の覚書は、二酸化炭素(CO2)排出量の削減や、欧州のエネルギー自給率の向上、経済の活性化といった欧州の目標に大きく貢献する」と述べた。
ロッテルダム港湾局は、オランダ政府の支援と英国石油大手シェルをはじめとする民間企業とともに、ロッテルダムのエネルギー転換計画の一環として、グリーン水素の輸入と欧州北西部への流通に必要な水素インフラの構築を行っている。具体的には、2030年までに年間460万トンのグリーン水素を欧州北西部に供給し、オランダ、ベルギー、ドイツの主要な産業地域をパイプラインで結ぶ計画を立てている。
オランダでは、政府が9月にグリーン水素の開発と輸出入に関するポルトガルとの2国間協力の強化を発表しており、ロッテルダム港湾局も8月にシンガポール港湾当局(MPA)とグリーンとデジタル回廊(Green and Digital Corridor)に関する協定(MOU)を締結するなど、グリーン水素に関する取り組みが加速している。
(望月竜之介)
(オランダ、スペイン)
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