1~9月新車販売台数は増加も、単月で2カ月連続の減少

(チリ)

サンティアゴ発

2022年10月12日

チリ全国自動車産業協会(ANAC)によると、2022年1~9月の新車販売台数は、前年同期比11.8%増の33万2,495台だった。9月単月では、前年同月比13.9%減となる3万6,718台で、18カ月ぶりに前年同月比で減少に転じた前月に続くマイナスとなった。ANACは、9月の販売台数減少について、上昇を続けるインフレや雇用創出の失速などにより、消費者の信頼感が悲観的になっていることなどを要因として挙げている。

1~9月の新車販売台数をブランド別にみると、販売台数トップ3はシボレー(シェア:8.9%)、トヨタ(7.6%)、奇瑞汽車(6.2%)の順で、トヨタは前年同期比52.8%増を記録した一方、シボレーは0.5%減となった(添付資料表1参照)。また、韓国ブランドの現代と起亜も減少し、それぞれ12.0%減、5.4%減となった。また、前年同期に3位だった日産は40.9%減となり、1年で全体に占めるシェアを6.8%から3.6%まで落としている。

タイプ別にみると、1~9月の乗用車の販売台数は前年同期比2.7%減となる8万5,058台だった(添付資料表2参照)。販売シェアの44.3%を占めるスポーツ用多目的車(SUV)は16.5%増で、中国ブランドのモデルが販売トップ3を占めた。ピックアップは27.4%増で、三菱自動車の「L-200」(1万466台)、マクサスの「T60」(8,939台)、トヨタの「HILUX」(6,478台)が最も販売されたモデルだった。なお、9月単月では、いずれのタイプも前年同月比減となっている。

ANACは、6月に40万台と発表して以降、維持していた2022年の新車販売台数の見通しを、今回42万台に上方修正した(添付資料図参照)。ANACの調査開始以来の最高となる年間新車販売台数は2018年の41万7,038台で、2022年が過去最高を更新する可能性がある。一方で、中国の景気減速、米国の景気後退の可能性、国際銅価格の下落、ウクライナ紛争などの世界経済の悪化が国内経済に与える影響を考慮して、2023年の新車販売台数については33万5,000台になるとの見通しを発表している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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