英ビーボックス、太陽光エネルギー企業PEGアフリカを買収

(英国、アフリカ、フランス)

ロンドン発

2022年09月21日

アフリカを中心にオフグリッド型(注1)太陽光発電を行う英国のビーボックス(Bboxx)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは9月6日、西アフリカで太陽光エネルギー事業を展開する企業PEGアフリカの買収について同社と合意したと発表した。

ビーボックスは分散型電力システムの開発や販売、融資を行う。同社はこれまでに250万人以上にクリーンなエネルギーや関連製品を提供してきた。

PEGアフリカはオフグリッドの農村社会や遠隔地域のために、支払った分だけ電気を使用できるペイ・アズ・ユーゴー(pay-as-you-go)モデルを導入し、太陽光エネルギー製品を提供している。

この買収により、ビーボックスはセネガルやコートジボワール、ガーナ、マリといった新たな市場を獲得し、合計10カ国にサービスを提供する予定。これにより、同社は、約350万人がクリーンエネルギーや、クリーンな調理設備、携帯電話関連技術、金融サービスへのアクセスが可能になると予測している。

世界銀行外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2020年時点でサブサハラアフリカ(サハラ砂漠以南)で電力アクセスがあるのは、全人口の約48%。近年、オフグリッド型太陽光エネルギーの市場は拡大しており、世界銀行と24の協力機関とのパートナーシップであるエネルギーセクターマネジメント支援プログラム(ESMAP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2020年の市場規模は約17億5,000万ドル、利用者は4億2,000万人となっている。

英国企業ではビーボックスに加え、アズーリ・テクノロジーズ(Azuri Technologies)もオフグリッド型太陽光エネルギー市場に進出している。

7月にはコンゴでのミニグリッド計画を発表済み

ビーボックスは7月にフランスの大手通信事業者オランジュとの連携を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、コンゴ民主共和国の家庭にクリーンエネルギーを提供するミニグリッドプロジェクトを実施するとした。ビーボックスは同国最大の太陽光発電EPC(注2)企業ゴーショップ(GoShop)との合併会社が建設するミニグリッド設備によりオランジュの通信インフラにエネルギーを供給し、さらに、オランジユの通信塔の周辺地域に電力サービスを提供するとした。また、オランジュのスマートメータープラットフォームとビーボックスのシステムを統合することにより、ミニグリッドのパフォーマンス監視や遠隔での顧客管理を可能にするとした。ビーボックスはさらに24カ所で同プロジェクトを展開し、2024年までに同国の15万人に電力を提供するとした。

(注1)オフグリッドとは、電力会社の送電網(グリッド)との接続がないこと。

(注2)設計、調達、建設工事。

(レイナー・あや)

(英国、アフリカ、フランス)

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