サルマン国王、ムハンマド皇太子を首相に任命
(サウジアラビア)
リヤド発
2022年09月28日
サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジーズ国王は9月27日、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子を自身に代わる新たな首相に任命する勅令を発表した〔9月27日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕。同国は国王が首相を兼務すると法律で定めているが、例外規定を適用した。ただし、サルマン国王が出席する閣議では、国王自身が引き続き議長を務める。今回の突然の勅令にかかる背景や目的について、現時点で政府から特に説明はされていない。
ムハンマド皇太子はこれまで副首相と国防相を務めていた。新たな国防相には、副国防相だった皇太子の実弟のハーリド・ビン・サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・サウード王子が任命される一方、新たな副首相は任命されず、空席となった。
同勅令では、内閣改造も併せて発表された。国防相の交代のほか、教育相には、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)の最高経営責任者(CEO)ユーセフ・ビン・アブドゥッラー・ビン・ムハンマド・アルベニヤン氏が新たに任命された。新首相に任命されたムハンマド皇太子は自らミスク財団を立ち上げ、若年層の教育に力を注ぐなど、国内の高度人材育成に強い関心を持つことで知られる。アルベニヤン氏は2015年にSABICのCEOに就任後、付属教育機関のSABICアカデミーを通じて公共部門などのリーダー教育に注力してきた実績があり、同氏の手腕を期待する人事とみられる。
(秋山士郎)
(サウジアラビア)
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