日系VC、エジプトECスタートアップ3社に出資
(エジプト)
カイロ発
2022年09月01日
日系ベンチャーキャピタル(VC)のサニー・サイド・ベンチャー・パートナーズ(Sunny Side Venture Partners)は8月16日、エジプトのEC(電子商取引)スタートアップ3社への出資を発表した。同社が今回出資したのは法人間取引(BtoB)のカートナ(Cartona)、企業対消費者取引(BtoC)のザ・ファッション・キングダム(TFK)、消費者間取引(CtoC)のマザダート(Mazadat)の3社だ。
カートナは2020年創業の日用消費財メーカー・卸売業者と小売店をつなぐECプラットフォームで、デジタル化によってエジプトの伝統的なマーケットの非効率性の解決に注力する。現在6万人のユーザーを抱えており、2022年7月には1,200万ドルのシリーズAラウンドを調達した。
TFKはファッションに特化したBtoCのECプラットフォーム。商品の選択肢を広げたいという消費者のニーズに応えるとともに、ローカルブランドにオンライン販売チャネルを提供している。2020年の創業、登録ブランド数は2022年7月時点で200点を超え、ユーザーは15万人に上る。
マザダートはCtoC物品売買プラットフォームを構築。個人21 トランプや不良品などのCtoC取引に関わる問題解決のため、商品受け渡しや支払いのための施設をカイロ市内に設置。売り手と買い手が直接やり取りせずに取引することを可能にした。
サニー・サイド・ベンチャー・パートナーズの才木貞治代表は大きく成長するエジプトのECスタートアップについて「南アフリカ共和国やケニア、ナイジェリアを中心とするアフリカスタートアップ業界はフィンテックが牽引してきたが、エジプトでは比較的整ったインフラに支えられ、ECがフィンテックと同等かそれ以上に活況となっている」とした。その上で、3社への投資理由について「2021年のアフリカ全体のECスタートアップ投資額の約半分がエジプト。大きく伸長を続けるエジプトのECをBtoC、BtoB、CtoCの各分野で今後リードしていくであろう3社に投資している」と述べた。
(塩川裕子)
(エジプト)
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