ケニア最高裁、オディンガ氏の異議棄却、ルト副大統領が次期大統領に確定

(アフリカ、ケニア)

ナイロビ発

2022年09月12日

ケニアの最高裁判所は95日、8月の大統領選挙(2022年8月17日記事参照)について、不正があったとする野党・オレンジ民主同盟(ODM)のライラ・オディンガ候補(元首相)の異議申し立てを棄却した。独立選挙管理・選挙区画定委員会(IEBC)の発表のとおり、与党・統一民主同盟(UDA)ウィリアム・ルト副大統領の当選を全会一致で支持した格好だ。ルト氏は913日に第5代大統領に就任予定で、この日は祝日となる見通しとなっている。

最高裁判決を受け、ルト氏は「最高裁判所へ敬意を表したい。われわれは敵ではなく、同じケニア人だ。団結してケニアを誇れる国にしよう」と声明を発表した。一方、敗北が確定したオディンガ氏は「最高裁の判決は同意しないが、受け入れる」とツイッターでコメントした。オディンガ氏を支持していたウフル・ケニヤッタ現大統領も「裁判所の命令を忠実に従う」として、円滑な政権移譲に協力するとコメントした。

89日に投票が行われた大統領選挙では、ルト副大統領と、今回が5度目の立候補だったオディンガ氏、そのほか2人の候補者で争われた。815日に独立選挙管理・選挙区画定委員会(IEBC)が選挙結果を発表したが、オディンガ氏が22日に最高裁判所に異議申し立てを行っていたため、選挙結果は確定していなかった。

最高裁は830日、選挙の透明性の確保や、重大な不正や違法行為の有無など9つの項目で裁定すると発表。併せて、15カ所の投票所に投票結果の再集計を命じていた。

最高裁の判決に不満を抱いたオディンガ氏の支援者が暴徒化するのではないかという危惧もあったが、オディンガ氏の支持基盤のキスム市を含めて、大きな騒動は生じていない。

(中川翼)

(アフリカ、ケニア)

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