ブラック ジャック アプリ書を公開、プログラム履行戦略は近く公表
(米国)
米州課
2022年09月08日
米国の商務省は9月1日、産業界への資金助成を伴う半導体インセンティブ制度であるCHIPS(CHIPSプログラム)の履行に向けたブラック ジャック アプリ提供依頼書(RFI)の回答結果要約を公開した。商務省によると、250を超える回答があり、内訳は、大企業が37%、中小企業が22%、非営利団体が23%、残りは学術界や政府などとなっている。
CHIPSプログラムは、半導体産業に関連する資金助成、研究開発、労働力開発に大きく分けられており(2022年7月28日記事参照)、2021年度国防授権法に含まれるかたちで制定され、「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法」によって予算措置が決定していた(2022年8月26日記事参照)。
寄せられた回答の総論として、まずは、CHIPSプログラムが最大の効果を得るためにすべてが密接に調整されるべきだとされ、CHIPSプログラムで行われる資金助成は、州や地方自治体のインセンティブを踏まえて設計されるべきとされた。また、資金助成の申請に際しては、知的財産の取り扱いが重要な要素となることも指摘され、国家科学技術会議(NSTC)などが知的財産をどう取り扱うかに関するガイドラインは、前もって明示される必要があるとされた。
プログラムの用途別にみると、資金助成では、企業単独ではなくコンソーシアムでの申請を認めることや、外国籍の企業などからの申請を排除しないことなどが指摘された。研究開発では、中小企業が、費用対効果の高い料金や段階的な会員制度において最新鋭(SOTA)機器やツールを利用できるよう、NSTCなどのプログラムは柔軟であるべきとされた。労働力の構築では、高い技術を有する労働者の育成、確保の重要性が強調され、STEM(科学、技術、工学、数学)分野を学ぶ学生の増加や、NSTCと全米先端パッケージング製造プログラム(NAPMP)などによる高技術労働者育成のための訓練や認定プログラムの創設が提言された。
企業規模別でみると、大企業からは、資金助成は米国製半導体促進法案(FABS法案)で提案されている投資税制優遇措置など他の税控除との組み合わせで実施されるべきとの指摘があったほか、申請者の国籍によらず、米国で現在操業しているか、米国で長い歴史を有する製造業やサプライヤーを優先すべきとの指摘もあった。一方で、中小企業からは、米国に本社を置く申請者を優先するべきとの意見があった。
商務省のジーナ・レモンド長官は、今回寄せられた意見に対して、CHIPSプラス法は米国内の製造能力を拡大し、半導体製造における米国のリーダーシップを回復するものと評価するものの、その実現は連邦政府単独ではできないとし、「貴重な意見に感謝し、産学官のあらゆるレベルを巻き込んだオープンで透明性の高い戦略を策定するために活用する」と述べている。商務省は、今後数週間で、CHIPSプログラムを履行するための戦略を発表する予定だ。
(赤平大寿)
(米国)
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