米国、主要都市の家賃中央値が過去最高を更新、オフィス空室率は高止まり
(米国)
ニューヨーク発
2022年09月05日
米国の賃貸住宅ブラック ジャック ルール ディーラー提供企業のザンパーは8月29日、全米主要都市における家賃の中央値をまとめた月次レポートを発表した。ブルームバーグ(8月30日)によると、8月の調査におけるワンベッドルームの賃料(以下の数値も同様)の全米中央値は約1,486ドルとなり、過去最高を記録した。
最も高額な賃料はニューヨーク州ニューヨークで、その中央値は3,930ドル、前年同月の調査から39.9%上昇した。ニューヨーク市内では、マンハッタン地区が4,212ドル(前年同月比27%上昇)、マンハッタンに隣接するブルックリン地区が3,927ドル(45%上昇)と、特に急激な上昇になっている。2位はカリフォルニア州サンフランシスコで3,040ドル(8.6%上昇)、3位は同州サンノゼで2,780ドル(26.4%上昇)となった(添付資料表参照)。米国の主要都市の半分以上で前年比10%以上の上昇率を記録し、30%以上の上昇の都市もいくつかみられるなど、家賃の負担が重くなっていることを裏付ける結果となった。
家賃の大幅な上昇がみられる一方で、オフィスの利用は低調となっている。不動産調査会社CBREが7月26日に公表したレポートによると、第2四半期のオフィス空室率は16.9%を記録した。リモートワークの普及により、企業の今後のオフィス利用の不透明性があることに加えて、最近のインフレ圧力の影響もあり、オフィス賃貸供給量は2四半期連続で減少した。特に、都市部の空室率が上昇しており、今回の調査では郊外の空室率が16.8%だったのに対して都市部17.0%なり、過去20年以上で初めて都市部の空室率が郊外の空室率を上回った。
家賃の上昇は続く一方で、オフィス需要は軟調な傾向が続いている。パンデミック収束後も、リモートワークと出社を組み合わせた勤務体制とすることを検討している企業の割合は7割以上とする民間調査もあることなどからすると(2022年5月9日付地域・分析レポート参照)、このトレンドはまだ続く可能性がある。
(宮野慶太)
(米国)
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