米X-エナジーとカーティス・ライト、小型モジュール原子炉の商業化加速で提携
(米国)
ヒューストン発
2022年09月22日
小型モジュール式原子炉(SMR)の技術開発を行う米国のX-エナジー(本社:メリーランド州ロックビル)は9月15日、原子力関連を含め、航空機分野や軍事分野など多分野の部品製造を手掛ける米国のカーティス・ライト(本社:ノースカロライナ州デイビッドソン)と、X-エナジーのSMRの設計と商業化を進めるためのサプライヤー契約を締結したと発表した。
同契約により、カーティス・ライトは原子力蒸気供給で重要なシステムを開発・提供する優先サプライヤーに選ばれたとしている。
X-エナジーのSMRは、4基合計で320メガワット(MW)の発電容量を有するプラントとして設計されている。カーティス・ライトは4基まとめた販売価格が1億ドル超になると見込んでいる。
X-エナジーのジェイ・クレイ・セル最高経営責任者(CEO)は「当社は、SMRの商業化を成功させるため、カーティス・ライトと協働し、強靭(きょうじん)なサプライチェーンの構築に取り組んでいる」と述べている。
カーティス・ライトのリン・バムフォード会長兼CEOは「当社は、顧客に革新的な安全ソリューションを提供しながら、クリーンで信頼性が高く、安価なエネルギーの創出を通じて、既存のエネルギーインフラの脱炭酸化に貢献する重要な役割を果たすつもりだ。さらに、原子力技術の進歩に対して、超党派の強力な支援が継続されていることをうれしく思う」と述べている。
米国のSMR技術の最新動向としては、SMRの技術開発を行うニュースケール・パワーが5月2日にスプリング・バレー・アクイジションと、SMRの商業化加速に向けた企業結合完了を発表した(2022年5月9日記事参照)。ニュースケールは7月28日にナショナル・テクニカル・システムズとSMR機器を認証する試験室開発で提携を発表した(2022年7月29日記事参照)ほか、9月7日にはハブーシュ・グループと、ニュースケールのSMR商業化を加速する戦略的提携の締結を発表している(2022年9月9日記事参照)。また、9月12日にはロイター・ストークスとパラゴン・エナジー・ソリューションズがニュースケール向けの中性子モニタリング検出器の設計、製造契約を締結したことを発表した(2022年9月13日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国)
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