チェコ電力、2023年にドイツで風力発電所を建設へ
(チェコ、ドイツ)
プラハ発
2022年09月20日
チェコ電力(CEZ)は9月15日、ドイツ北西部ノルトライン・ウェストファーレン州のダッテルンで陸上風力発電所の建設を2023年初めに開始することを発表した。直径149メートルの風車を2基建設し、2023年末には運転を開始する予定だ。発電容量は合計11.4メガワット(MW)で、6,000世帯の年間電力消費量に相当するという。完成すれば、CEZがドイツで保有する11カ所目の風力発電所となり、チェコ国内の2カ所の風力発電所と合わせて、153.0MWの発電容量を持つことになる。
CEZは再生可能エネルギー分野への投資を積極的に進めている。2021年5月に発表した経営戦略「ビジョン2030」で、2019年時点で電源構成の39%を占める石炭火力発電の比率について、2025年までに25%、2030年までに12.5%に削減する方針を発表した。再生可能エネルギーについては、2025年までに1.5ギガワット(GW)、2030年までに6GWの発電設備を建設する。CEZは2021年末時点で11.8GWの発電容量を保有しており、電源別の内訳は石炭(36.5%)、原子力(36.3%)、水力(16.8%)、ガス(8.2%)と続く。風力は全体の1.2%にとどまるが、CEZはダッテルン以外にもドイツとフランスでプロジェクト開発を進めているほか、トルコでも風力発電所の運営に参画している。
CEZはダッテルン風力発電プロジェクトの意義について、今後の風力発電事業の展開に向けたノウハウを蓄積することに加え、欧州のエネルギー安全保障を支える点を強調している。
(志牟田剛)
(チェコ、ドイツ)
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