IPEFへの参加、米国のグリーン・人材育成での協力を期待
(フィリピン)
マニラ発
2022年09月28日
フィリピン貿易産業省(DTI)は9月15日、インド太平洋経済枠組み(IPEF)参画について、再生可能エネルギーやグリーンメタル(注)の産業開発、人材育成に関する米国との協力を促進する観点から便益がある、との見解を明らかにした(政府通信社2022年9月15日付)。
DTIは具体的な米国との協力事例について、バッテリー製造に関する特許を有する米国企業が、フィリピンでのニッケル鉱の加工処理についてフィージビリティスタディ実施のための資金提供を行うことを挙げた。なお、フィリピン政府はニッケルやコバルト、銅などのグリーンメタルに関する産業を、投資誘致の重点分野として位置付けている(2020年12月4日記事参照)。
また、DTIは、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が2022年8月、フィリピンで初めて実施する洋上風力発電のフィージビリティスタディについて、「米国が資金援助を行う」とコメントしたことについても言及した。
人材育成に関して米国は、フィリピンを含むIPEFに参加する新興国において、700万人の女性を対象にデジタルスキルの訓練機会を提供していくとしている。同取り組みは、アップルやアメリカン・タワー、アマゾンなどの米国の14社のデジタル分野の大手企業と連携して実施されることが明らかになっている。
(注)電気自動車(EV)や再生可能エネルギーなど、脱炭素社会の実現のための産業に不可欠な金属資源。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)
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