リオ・ティント、中国大手とオーストラリア西部鉄鉱山開発に向けたJV設立に合意
(英国、オーストラリア、中国、スウェーデン)
ロンドン発
2022年09月22日
英国・オーストラリア資源大手のリオ・ティントは9月14日、中国鉄鋼大手の中国宝武鋼鉄集団(以下、中国宝武)とジョイントベンチャー(JV)を設立、オーストラリア西部ピルバラでのウエスタンレンジ鉄鉱プロジェクトでの鉱山開発に対し計20億ドルを投資することで合意したと発表した。出資比率はリオ・ティントが54%、中国宝武が46%となる。
ウエスタンレンジでの年間生産能力は2,500万トンとされている。鉱山開発にかかる破砕機などの建設は2023年初頭から開始し、2025年中の生産開始を見込む。
両社はJV設立に加え、約13年間にわたる鉄鉱石の売買契約の締結に合意、これにより1億2,650万トンを市場価格に基づき売買する。ただし、リオ・ティントによれば、JVの設立および売買契約に当たっては、同社の株主、オーストラリア政府、中国の政府規制当局などによる承認を含め、各種条件を満たす必要があるとしている。
リオ・ティントの鉄鉱石部門の最高責任者サイモン・トロット氏は、今回のプロジェクトでの、中国宝武との連携について、40年以上にわたり長期の協力関係を構築できているとし、ウエスタンレンジ・プロジェクトでの協力関係の拡大に期待を寄せた。さらに、同社との低炭素製鉄に関する技術研究でも引き続き協力するとした。両社は2020年12月に、2年間で10億ドルを投じ低炭素製鉄に関するプロジェクトと研究を行うことを発表していた。
リオ・ティントは9月13日にも、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボグループとの間で戦略パートナーシップに向けた覚書に署名したことを発表。リチウムや低炭素のアルミニウム、銅、金属といった原材料の供給確保のため、リオ・ティントが同社の低炭素製品、技術をボルボに供給する。また、ボルボグループが実証実験を行う自動運転による持続可能な輸送技術により、リオ・ティントの活動の脱炭素化に向けて協力するとしている。
(山田恭之)
(英国、オーストラリア、中国、スウェーデン)
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