1~8月新車販売台数は前年同期比16.2%増、8月単月は減少に転じる
(チリ)
サンティアゴ発
2022年09月13日
チリ全国自動車産業協会(ANAC)によると、2022年1~8月の新車販売台数は、前年同期比16.2%増の29万5,777台だった。8月単月では、前年同月比6.8%減となる3万5,018台だった。新型コロナ禍からの回復によって、月間販売台数は2021年3月以降17カ月連続で前年同月比を上回っていたものの、8月は減少に転じた。この要因についてANACは、経済活動の停滞や社会・経済的な不確実性の高まりが自動車部門にも影響を与え始めている、と分析している。
1~8月の新車販売台数をブランド別にみると、最も販売台数が多いのはシボレーの2万6,611台で、全体に占めるシェアは9.0%だった(添付資料表1参照)。次いでトヨタ(シェア:7.7%)、奇瑞汽車(6.2%)、現代(5.4%)、スズキ(5.4%)の順で、トヨタは前年同期では6位だったが、2位に順位を上げた。一方で、前年同期に3位だった日産は順位を11位まで落としている。要因として、前年好調だったピックアップトラックの販売台数が伸び悩んでいることが挙げられる。
タイプ別にみると、1~8月の乗用車の販売台数は前年同期比1.5%減となる7万5,514台だった(添付資料表2参照)。乗用車の販売上位3は、シボレーの「SAIL」(5,068台)、トヨタの「YARIS」(4,949台)、フォルクスワーゲンの「GOL」(4,757台)だった。販売シェアの44.4%を占めるスポーツ用多目的車(SUV)については、奇瑞汽車の「TIGGO 2」(7,423台)が、2位のシボレー「TRACKER」(5,944台)に約1,500台の差を付け、圧倒的な首位に立っている。なお、8月単月では、ピックアップ以外のタイプはいずれも前年同月比減となっている。
ANACは2022年の新車販売台数を40万台と予測しているが、8月単月の販売台数が前年同月比で減少に転じたことを受け、同予測の見直しを行う可能性を示唆し、今後の動向を注視していく、と発表している。
(岡戸美澪)
(チリ)
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