河南省、16億元超の輸出入貨物にRCEP協定を適用

(中国)

中国北アジア課

2022年09月20日

中国・河南省政府は9月12日、鄭州税関が2022年1~8月に合計16億2,000万元(324億円、1元=約20円)の輸出入貨物に対して、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に基づく特恵関税を適用したと発表した。同税関はRCEP協定に基づく3,356件の原産地証明書を発行。輸出入を行う河南省企業297社が享受した関税の減免額は630万元超となった。

2022年1~8月における河南省のRCEP協定加盟国との貿易額は、前年同期比16.7%増の1,517億6,000万元となり、その伸びは同省の対外貿易額の伸び(8.4%増)を上回った(「河南日報」9月15日)。同税関の関係者は、RCEP協定による河南省企業への関税削減効果について、輸入面では、特に織物原料や紡績機械、化学工業原料、食品などの輸入量が持続的に増加しており、輸出面では、アルミ製品や化学品、織物・衣料品、食品、プラスチック製品などの市場競争力が高まったと述べている。

河南省政府は、RCEP協定について「国外のハイエンドな設備や重要な原材料をより低価格で省内に輸入し、企業の発展に係るコストを削減していると同時に、省内産業の変革とアップグレードも加速させている」と期待を示している。

投資面では協定加盟国との産業チェーン・サプライチェーンの協力拡大を目指す

中国は2022年1月1日からRCEP協定を発効し、各種関税の減免や原産地累積規定の活用などが進んでいる(RCEPが発効、ブラック ジャック)。河南省政府は、協定発効前の2021年12月28日に、省内企業による国際ビジネス展開の拡大や産業チェーンの競争力強化などを目的とした「河南省における地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の実施に係る行動法案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。この行動法案では、貿易面で一国一政策の市場開拓政策を策定し、原産地規則を有効に活用しながら越境EC(電子商取引)などの新たな貿易ビジネスを積極的に発展させるほか、投資面では協定加盟国と協力体系を整え、産業チェーン・サプライチェーンの協力を拡大し、特別な投資プロモーションを実施することで、地域の投資促進効果を高めるなどの方針が示された。

(片小田廣大)

(中国)

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