JERAとユニパー、LNGと米産クリーンアンモニアの調達・販売で共同検討の覚書締結
(米国、日本、ドイツ)
ヒューストン発
2022年09月06日
国内外で火力発電や再生エネルギー事業などに取り組むJERA(本社:東京都中央区)は9月5日、米国子会社を通じて、ドイツのユニパー・グローバル・コモディティーズとユニパー・グローバル・コモディティーズ・ノース・アメリカとの間で、液化天然ガス(LNG)と米国産クリーンアンモニアの調達・販売に係る共同検討の覚書を締結したと発表した。両社はこの共同検討を通じて、日本とドイツ向けのエネルギー供給の安定化を図ろうとしている。
JERAの米国子会社はパートナー企業の米国石油大手コノコフィリップスと協力して、米国メキシコ湾岸で大規模に水素を生産した上でクリーンアンモニアに転換し、JERAとユニパーに供給することを通じて、欧州、将来的には日本やアジア諸国へのアンモニア供給力の向上について検討するとしている。また、JERAはLNGの安定調達を通じて、短中期的な課題のエネルギー不足の問題解決を図りつつ、中長期的な課題のエネルギーの脱炭素化も着実に進める方針だ。
米国での脱炭素化に向けた取り組みとして、JERAは例えば、2021年7月に米国子会社を通じて参画しているニュージャージー州のリンデンガス火力発電事業の事業会社リンデン・コージェン・ホールディングスが米国石油精製大手フィリップス66との間で、石油精製所で生産した水素を含むガスの引き取りに関する契約を締結したことを発表した(2021年7月30日記事参照)。2022年5月には米国子会社を通じて、米国マサチューセッツ州とメーン州の火力発電事業に参画し、米国インフラファンドのストーンピークから事業権益の100%を取得する権益売買契約を締結したと発表した。JERAはこれら火力発電所の脱炭素化を進めるため、バイオ燃料への転換や、大規模再生可能エネルギー案件の開発支援、ガスタービンでの水素混焼、蓄電池の活用などの取り組みを検討するとしている(2022年5月16日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国、日本、ドイツ)
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