米サンフランシスコ市、サル痘拡大で緊急事態を宣言
(米国)
サンフランシスコ発
2022年08月01日
米国サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長と公衆衛生局は7月28日、サル痘の感染拡大に対する準備と対策強化を目的に、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。カリフォルニア州公衆衛生局によると、州全体のサル痘感染者は同日時点で781人。このうち、ロサンゼルス郡が261人、サンフランシスコ市・郡が257人となっている。
緊急事態宣言は、サル痘の感染拡大への対応に市のリソースを動員し、緊急計画を加速させ、市全体の機関を調整するための法的措置で、8月1日に有効となる。他方、本目的は、新型コロナ禍で実施したような行動制限ではないとしている。
サンフランシスコ市の発表によると、LGBTQコミュニティーが市内感染者の90%近くを占め、30%はラテン系コミュニティーとなっている。ブリード市長は「サンフランシスコは新型コロナ禍において、公衆衛生を守るためには早期の行動が不可欠であることを示した。このウイルスは誰にでも等しく影響を与えるが、LGBTQコミュニティーがより大きなリスクにさらされていることも分かっている。この地域の緊急事態宣言によって、来るべきものに備えるとともに、最もリスクの高い人々を支援し続けることができる」とコメントを出した。
ワクチンが供給不足に陥っている状況も見られる。同市は数週間前に3万5,000回分のワクチン供給を要求したが、実際にはその3分の1しか受け取れなかった。市公衆衛生局は引き続き、カリフォルニア州からの追加配分を求めている。他方、同局は自身で感染リスクを減らす行動として、他者との緊密なスキンシップを取る機会を制限すること、体調が芳しくない時は外出を控えること、発疹や痛みを感じた時は医者に連絡することなどを挙げている。
北カリフォルニアの公共交通機関では、フェースカバーの着用を再び義務化
サンフランシスコを含む北カリフォルニアの5郡(注)を結ぶ公共交通機関BARTの取締役会は7月28日、車内や改札を越えた駅の全ての場所で、フェースカバーの着用を再び原則義務化する決議を行った。同決議は即時有効となり、さらに延長されない限り10月1日まで効力を持つ。
(注)サンフランシスコ、サンマテオ、アラメダ、コントラコスタ、サンタクララ
(石橋裕貴)
(米国)
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