中国の車載電池大手CATL、ハンガリーにEV用電池工場の建設公表
(中国、ハンガリー)
上海発
2022年08月18日
中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は8月12日、ハンガリー東部のデブレツェン市に電気自動車(EV)用の電池工場を新設すると発表した。生産能力は年間100ギガワット時(GWh)で、73億4,000万ユーロを投じる予定だ。建設中のドイツ工場に次ぎ欧州で2番目の工場となるが、株主総会の承認などを経て2022年内にも着工する見通し。
ハンガリー工場の敷地面積は221ヘクタールで、メルセデス・ベンツ、BMW、ステランティス、フォルクスワーゲン(VW)などの欧州系自動車メーカーに納入する電池セルとモジュールを製造する。ハンガリーが欧州の中央に位置しており、前述のメーカーなどの工場にも近いため、現地市場のニーズに即時に対応ができるという。
CATLのグローバル戦略は加速している。同社は2019年、ドイツで初の国外工場建設に着工し、2022年末の稼働を計画している。総投資額は18億ユーロで、車載電池の生産能力が年間14GWhに達する見込みだ。また、同社は2022年4月、インドネシアでニッケル鉱石の採掘と精錬、電池材料や電池の製造、電池の回収まで一貫した生産体制を構築していくと発表した。プロジェクトの総投資額は最大59億6,800万ドルで、傘下の子会社を通じてインドネシアの現地2社と共同で推進していく。
CATLの曾毓群董事長が韓国の市場調査会社SNEリサーチのデータとして2022年7月にスピーチで言及したところでは、2022年1~6月期の世界に占める車載電池の同社シェアは、首位の34%で、2位(14%)を大きくリードした。曾董事長はその際、同社製品が世界55カ国・地域に出荷され、車載電池の累計出荷量が400GWhを上回ったと指摘した。
(劉元森)
(中国、ハンガリー)
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