国際旅客便の運航停止基準を緩和
(中国)
北京発
2022年08月16日
中国民用航空局は8月7日、国際旅客便で新型コロナウイルス感染者が確認された場合の運航停止基準を同日から調整すると発表した。新型コロナウイルス感染者が5人以上確認された便について、感染者が同便の搭乗者全員に占める比率が4%に達した場合は1週間の運航停止、8%に達した場合は2週間の運航停止とするとした。
新型コロナウイルス感染拡大以降、中国は国際旅客便の運航について厳格な制限を行ってきた。これまでは1便当たり感染者が5人以上出ると2週間の運航停止、10人以上の場合は4週間の運航停止とする措置を講じていた(2020年6月9日記事参照)。
中国民航大学航空経済研究所の李暁津所長は、今回の調整により国際旅客便で感染者が確認された場合の運航停止期間が短縮されるほか、感染者の対搭乗者比率という新たな基準を導入したことで、運航停止となる可能性自体もこれまでより低くなると指摘した(「毎日経済新聞」8月8日)。
また、8月3日に発表された「航空会社と空港における防疫ガイドライン」の改定版では、国際線乗組員の入境後の集中隔離期間が従来の14日間から7日間に、健康観察期間も7日間から3日間に短縮された。
中国では6月下旬以降、北京と日本を結ぶ直行便の再開をはじめとする国際旅客便の増便や入境者の隔離期間の短縮など、国外との往来に関する規制緩和の動きがみられる(2022年6月29日記事、2022年7月1日記事参照)。
なお、「2021年民間航空産業発展統計公報」によると、中国の2021年の国際線定期便の路線数は279路線と、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比べて約7割減少した。また、2021年通年の国際線による旅客輸送数は延べ147万7,200人で、2019年の約2%にとどまっている。一連の規制緩和の動きが往来人員の増加や航空産業の回復につながるか注目される。
(張敏)
(中国)
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