米パーミアン盆地の天然ガス供給能力、今後2年で拡大へ、EIAが5件を公表
(米国)
ヒューストン発
2022年08月05日
米国エネルギー21 トランプ局(EIA)は8月4日、テキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがるパーミアン盆地の天然ガスパイプラインについて、5件の拡張・新規事業を公表した。同盆地は、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。
拡張・新規建設事業には、(1)既存パイプラインの供給能力拡大事業3件、(2)新設事業1件、また、(3)既に建設中の事業1件が含まれる。これら5件の事業を合わせると、今後2年間でパーミアン盆地の天然ガス供給能力は日量41億8,000万立方フィート(1億1,836万立方メートル)拡大するとしている。
(1)既存パイプラインの供給能力拡大事業について、ガルフ・コースト・エクスプレス事業では、供給能力を日量5億7,000万立方フィート拡大し25億8,000万立方フィートとするもので、2023年12月に供給を開始する予定。パーミアン・ハイウエー事業は、供給能力を日量5億5,000万立方フィート拡大し26億5,000万立方フィートとするもので、2023年11月に供給を開始する予定。また、ウィスラー・パイプライン事業は、供給能力を日量5億立方フィート拡大し25億立方フィートとするもので、2023年9月に供給を開始する予定。
(2)新規パイプライン事業である、マッターホーン・エクスプレス事業は、日量最大25億立方フィートの天然ガスを輸送可能で、2024年第3四半期に供給を開始する予定。
(3)建設中の事業については、オアシス・パイプライン事業を改良するもので、日量6,000万立方フィート拡大し、2022年末に完成予定。
なお、パーミアン盆地については、米国環境保護庁(EPA)が2022年8月1日、同盆地での大気汚染物質や温室効果ガス(GHG)の排出源を特定するため、飛行観測を実施すると発表した(2022年8月2日記事参照)。テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は、EPAが同盆地の大気汚染物質の排出規制を求める動きに反対しており、バイデン政権側がEPAの計画を停止しない場合、テキサス州は石油の生産を保護するために必要な措置を講じると警告している(2022年7月5日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国)
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