南部ビエンホア~ブンタウ高速道路の建設計画が承認
(ベトナム)
ホーチミン発
2022年08月22日
ベトナム南部ドンナイ省およびバリア・ブンタウ省の人民委員会は今般、両省をつなぐビエンホア~ブンタウ高速道路(全長約53.7キロ)の整備に向けて、それぞれの省が管轄する区間の建設プロジェクトを承認した(注1)。今回の決定は、2022年6月16日付の国会決議(59/2022/QH15)および7月28日付の首相決定(17/2022/QD-TTg)を受けたもの。
ドンナイ省を通過する高速道路は全長約34.2キロで、うち同省が管轄する区間は約16キロ(注2)。同省は2023年6月末までに着工し、2025年までの完成を目指す。同省にはロンタイン国際空港が建設予定で、同空港とバリア・ブンタウ省にある深水港のカイメップ・チーバイ港とを結ぶ今回の高速道路の建設は、物流インフラにおける重要なプロジェクトと位置付けられている(2022年6月28日記事参照)。
バリア・ブンタウ省を通過する高速道路は、全長約19.5キロで4車線からなる。日系企業が多く入居しているフーミー3特別工業団地(注3)を有するフーミー市や、省都バリア市を通過する。同省は2023年4月末に着工し、2025年6月末の開通を計画している。同高速道路の開通により、バリア市とホーチミン市の移動時間の短縮と交通渋滞の緩和も見込まれる。
産業面では、周辺地域における物流の利便性向上が見込まれる。ドンナイ省ビエンホア市は日系企業の進出も多く、カイメップ・チーバイ港とのアクセス向上は有利に働く。また、バリア・ブンタウ省は石油化学関連の産業集積が進んでおり(2022年1月4日記事参照)、将来的に同省で生産した石油化学基礎品をドンナイ省に供給するという、裾野のサプライチェーン構築が期待されている。
(注1)ビエンホア~ブンタウ高速道路の建設プロジェクトは、3つの区間に分割管理されており、バリア・ブンタウ省の区間は同省人民委員会、ドンナイ省の区間は同省人民委員会および交通運輸省が管轄する。
(注2)残りの区間(約18.2キロ)は交通運輸省の管轄で、プロジェクト管理委員会が設置されている(「ダウトゥオンラインニュース」8月6日)。
(注3)フーミー3特別工業団地は、日本、ベトナム両政府の合意に基づき、2014年に「特別工業団地」の認可を受けた。大型コンテナ船の寄港するカイメップ・チーバイ港まで約2キロに位置する。
(児玉良平)
(ベトナム)
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