新型コロナ新規感染者数は大幅減、渡航前検査証明の撤廃で日伯往来活発化に期待

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2022年08月29日

ブラジル保健省が所管するオズワルド・クルス財団は824日、国内の新型コロナウイルス新規感染者数(7日間移動平均)が同日時点で15,199人となったと発表した。715日を境に大きく減少に転じている。715日時点の新規感染者数は59,395人だった。

新規死者数も、719日を境に減少に転じており、824日時点で152人。新型コロナワクチンの接種率(2回接種済み、注1)は、825日時点で80.35%に達した。

サンパウロ市内では、新型コロナウイルス感染拡大の時期に開催を見合わせていた業界別の展示会やイベントのリアル開催が増えている。これに伴い、現地に拠点を持たない日本企業がこうしたイベントを活用し、現地市場調査や自社製品の反応を確かめるべく、訪伯するケースが増えてきた。

加えて、有効なワクチン接種証明書を保持している日本への帰国・入国者については、入国時に出国前72時間以内の検査証明を提出する義務が97日以降、撤廃されること受けて、日伯間の出張者往来がさらに増えることが予想される(注2)。これまではブラジルへの出張者は、日本へ帰国する際にPCR検査を実施する必要があり、陽性反応が出た場合、ブラジル国内の滞在先ホテルなどで隔離待機措置を取らざるを得ないケースが出ていた。このリスクを回避するために、ブラジルへの出張自体を自粛していた日系企業も多かった。このため、日系企業からは、検査証明の提出義務撤廃により日本からブラジルへの出張のハードルが下がると評価する声が出ている。

(注1)人口比。「既定の回数の接種完了」には、1回で完了するワクチンも所要回数完了にカウント。

(注2825日付外務省公式サイト、新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置(出国前検査陰性証明保持の見直し)を外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(古木勇生)

(ブラジル、日本)

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