バングラデシュでデング熱の感染者が増加、死者も報告
(バングラデシュ)
アジア大洋州課
2022年08月19日
バングラデシュで、デング熱の感染者が増加している。8月18日時点のデング熱の発症数は、計4,174件と報じられている。
保健サービス総局(DGHS)によると、18日の朝までの24時間で、合計93人の新規感染者(うち81人がダッカ市内、12人がダッカ郊外の病院に入院)が報告された。
バングラデシュでは、2022年6月21日に同感染症の最初の死者が確認されて以来、8月18日までの2カ月間で、死者数は17人(コックスバザール10人、ダッカ7人)に達した(「ニュー・エージ・バングラデシュ」紙、「BSSニュース」紙8月18日)。
デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカ(日中の午前10時ごろから午後4時ごろが活動のピーク)が媒介する、熱帯および亜熱帯地域(主に都市部および半都市部)で発生するウイルス感染症だ。通常、季節性であり、バングラデシュでは雨季で蚊が増える6月から11月ごろまで注意を要する(2021年8月16日記事参照)。
バングラデシュやインドなどでは、雨季になると多くのデング熱が流行するが、世界保健機関(WHO)によると、これらの国々では雨季シーズンが大幅に長期化しているという。そのため、従来は同感染症が見られなかったネパールなど、本来、熱帯地域ではない、温帯地域の国々にも広がりつつあるとされる。
WHOは、世界の人口40%がデング熱の危険にさらされていると推定しており、感染者は年間約3億9,000万人に及ぶ。なお、WHOはエボラ出血熱やヒト免疫不全ウイルス(HIV)と同様に、デング熱を公衆衛生に対する脅威のトップ10の1つに分類している。
(寺島かほる)
(バングラデシュ)
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