デジタル貿易協定DEPA、中国の加入交渉を開始へ

(シンガポール、チリ、中国、ニュージーランド)

シンガポール発

2022年08月19日

デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)合同委員会は818日、中国の加入手続きの開始に合意し、交渉に当たる加入作業部会(AWG、議長はチリ)の設置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。中国は202111月にDEPAへの加入を申請していた。

DEPA締約国の政府代表で構成されるAWGは、中国の加入要請を検討し、DEPAの基準と約束を順守する能力について議論し、中国の加入条件について合同委員会に報告書を提出する。合同委員会が、加入条件を承認し、加入候補者(今回のケースでは中国)に締約国となることを招請する決定を採択した場合には、合同委員会は、加入候補者が加入条件を受け入れることを示す加入書を寄託者に寄託することができる期間を指定する(DEPA16.4.2)。

シンガポールのガン・キムヨン貿易産業相は「シンガポールは、中国のDEPA加入申請を歓迎し、AWGを前進させることができることをうれしく思う。DEPAは、ルールと基準の共通枠組みを構築する一方で、デジタル経済におけるより大きな協力を促進することを目的としている」と述べた。

DEPAは、チリ、ニュージーランド、シンガポールの3カ国が20206月に署名した、デジタル分野に特化した協定だ。20211月にニュージーランドとシンガポール、同年11月にチリで発効した。DEPAにはこれまでに、中国のほか、韓国やカナダが加入申請を行った(2022年5月24日記事参照)。このうち、韓国は現在、AWGでの議論が進行している(議長はシンガポール)。

(朝倉啓介)

(シンガポール、チリ、中国、ニュージーランド)

ビジネス短信 495f1b0e8cca2e63