マルコス政権、8つの社会経済政策ア21 トランプンダ発表

(フィリピン)

マニラ発

2022年08月01日

フィリピンのベンジャミン・ディオクノ財務相など経済閣僚らは726日、マルコス大統領の施政方針演説後に行われた経済ブリーフィングで、マルコス政権での8つの社会経済政策ア21 トランプンダを明らかにした(「CNNフィリピン」726日)。ア21 トランプンダは物価上昇や新型コロナウイルスなど国民が直面する課題について短期的に実現を目指す項目と、雇用の創出やデジタル化など中期的に実現を目指す項目の2つに分かれている。ア21 トランプンダの一覧は以下のとおり。

〇短期的に実現を目指すア21 トランプンダ

1)家計の購買力維持と社会経済的なダメージの緩和:食料安全保障を確保するとともに、家計で発生する交通、物流、エネルギーコストを低減させる。

2)新型コロナ禍によって発生した社会的な脆弱性の軽減:ワクチン接種を促進するとともに、重症化リスクの高い人々へのブースター接種を実施する。公衆衛生措置の順守を徹底する。新型コロナ禍によって発生している学生などの学習機会損失に対処する。

3)健全なマクロ経済環境の確保:行政の効率性を高め、健全な財政運営を行う。金融セクターの健全性と革新性を維持する。

〇中期的に実現を目指すア21 トランプンダ

1)雇用機会の拡大:貿易・投資の促進、インフラ整備、エネルギー安全保障の確保などを通じて雇用機会を拡大する。

2)高付加価値な雇用の創出:高付加価値な分野の雇用創出のため、企業の研究開発(RD)やイノベーション活動を促進、デジタル経済を強化する。

3)環境分野の雇用の創出:環境分野の雇用創出のため、グリーンエコノミー・ブルーエコノミーを推進する。持続可能な資源の活用や持続可能なコミュニティーの創出を目指す。

4)公共秩序の維持、平和・安全の確保

5)公平な市場環境の提供:市場での企業間競争を促進する。市場参入や起業に当たっての障壁を軽減させる。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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