米船級協会ABS、エネルギー省から研究調査受託、オンライン ブラック ジャック利用促進に向け
(米国)
ヒューストン発
2022年08月19日
米国の船級協会であるアメリカン・ビューロー・オブ・シッピング(本社:テキサス州スプリング、以下ABS)は8月17日、米国エネルギー省(DOE)から、オンライン ブラック ジャックへの利用促進に向けた課題調査のため、80万ドルの契約を受託したと発表した。
ABSは、アイダホ国立研究所を拠点とするDOEの国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)から研究支援を受ける予定だ。NRICは、海上での原子力実証の手法を含め、先進的な原子炉の枠組みをABSに提供する。ABSは、海事用途のさまざまな先進原子炉技術のモデルを策定し、先進的な原子炉の商業利用に関する船舶業界向けの勧告書を策定の予定だ。
ABSのグローバルエンジニアリング・技術担当シニアバイスプレジデントのパトリック・ライアン氏は「最新の原子力技術は、海運の脱炭素化という課題に対する潜在的なソリューションとして注目されている。本技術により、二酸化炭素(CO2)排出量削減が可能となり、米国の造船所とそのサプライチェーンへの投資促進も期待される。業界が安全に焦点を当てながら原子力技術を評価することが重要だ」と述べている。
NRICのディレクターであるアシュリー・フィナン氏は「国立研究所は強固な原子力の知見を有しており、業界と提携することで、原子力エネルギーの課題に共同で対処できる」「海運と先進的原子力の両分野からの関心の高まりから、海運のCO2排出量削減の好機であり、われわれは本調査の一翼を担えることをうれしく思う」と述べている。
ABSは、1959年に米国初の原子力商船であるサバンナ号を、ABS規則により承認して以降、海事用途の原子力利用について実績があるとしている。また、米国は海軍が艦船に原子力を使用してきた実績がある。バイデン政権の掲げる2050年カーボンニュートラルに向け、米メディアでは、オバマ政権時代に国務長官を務めたジョン・ケリー気候変動担当大統領特使が「商船への原子力の利用促進に関心を高めている」と述べたと報じられている(「スプラッシュ247.com」8月18日)。
(沖本憲司)
(米国)
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