サウジアラビア、ウズベキスタンで世界最大級の風力発電所建設へ

(ウズベキスタン、サウジアラビア)

タシケント発

2022年08月29日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は81718日にサウジアラビアを公式訪問した。ウズベキスタン大統領のサウジアラビア公式訪問は30年ぶり。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談後、「パートナーシップの本格的拡大に関する共同声明」を採択し、両国はエネルギーや税関、民間航空、観光、農業、医療、労働などの分野の協力に関する15の文書に署名した。

合意内容で注目されるのはエネルギー分野だ。サウジアラビアの政府系企業ACWAパワーは、ウズベキスタン西部カラカルパクスタン共和国に世界最大級の設備容量1.5ギガワット(GW)の風力発電所を建設する基本契約をウズベキスタンのエネルギー省と投資貿易省との間で署名した。総事業費は24億ドルで、2023年末までに資金調達を完了し、2026年初頭に商業運転を開始する。同じく、ACWAパワーと米国の産業ガス大手エアープロダクツ・アンド・ケミカルズは、ウズベキスタンでのグリーン水素生産を念頭に研究開発に取り組む。サウジアラビア側がウズベキスタンで天然ガス発電と風力発電事業を継続するため、今後5年間で100億ドルを投資することなどが発表されている。

設備容量1.5GWの巨大風力発電所が完成すると、ACWAパワーはウズベキスタンの太陽光・風力発電能力の少なくとも38%を占めることになる(添付資料表参照)。同社はウズベキスタンで既に3件の風力発電事業〔ブハラ州2件・計1GW、カラカルパクスタン共和国1件・100メガワット(MW)〕、天然ガス火力発電事業1件(シルダリヤ州・1.5GW)を行っている。全ての事業が稼働すると、アラブ首長国連邦(UAE)のマスダールGWを抜いてウズベキスタンで最大の再生可能エネルギー発電事業者となる。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、サウジアラビア)

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