貨物自動車運送団体、貨物輸送中の強盗被害増加に危機感、政府に対応要請
(メキシコ)
米州課
2022年08月16日
メキシコの全国貨物自動車運送事業連合会(CANACAR)は8月5日、貨物輸送時や路上での強盗事件が近年増加している状況を踏まえ、アダン・アウグスト・ロペス・エルナンデス内相と会合し、効果的な対策を講じるよう要請した(CANACARプレスリリース8月5日)。同プレスリリースによると、会合には、CANACAR会長のラモン・メドラノ・イバラ氏のほか、国立旅客観光自動車交通会議所(CANAPAT)会長、全国民間輸送協会(ANTP)事務局長、メキシコ運輸業者全国連盟(CONATRAM)会長らも参加した。
同会合では、安全性の高い環境整備のために、陸軍・海軍・国家警備隊が関与する緊急プログラムの実施を要請した(「エル・エコノミスタ」紙8月8日)。CANACARからの要請に対し、ロペス・エルナンデス内相は「これは国家安全保障上の問題であり、対処するつもりだ」と回答した(CANACARプレスリリース8月5日)。また、現地のニュース番組でのインタビューで、メドラノ・イバラCANACAR会長は「貨物輸送中の強盗被害と闘うには、政府の関与や制度の整備、カジノ ブラック ジャック管理をそれぞれ強化し、国家警備隊による監視が必要」と発言している(CANACARプレスリリース8月5日)。
メキシコ連邦政府国家公安委員会事務局(SESNSP)が公開している7月2日時点の国内の犯罪発生率リストによると、2022年1~6月に起きた貨物輸送中の強盗事件は合計4,261件にも及ぶ。件数を州別に見ると、メキシコ州が最多で2,311件、次いでプエブラ州で794件となっている。8月8日付の現地紙「エル・エコノミスタ」によると、メドラノ・イバラCANACAR会長は、これまでにない件数にまで事件発生数が増加しており、「憂慮すべき」とコメントしている。
(高氏朋佳)
(メキシコ)
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